トライアルで好反響、全国展開を決定
日本では年間約472万トンもの食品ロスが発生しており、その半分が家庭から出ている。
ファミリーマートは2021年4月から「ファミマフードドライブ」を展開しており、フードロス削減に取り組んできた。ファミリーマート店舗に回収ボックスを設置。未開封の食品や賞味期限が2か月以上あるものといった条件があるものの、2025年2月末までに寄せられた食品の累計が400トンを突破した。これは大型トラック約20台分に相当する。
集まった食品は、こども食堂やフードパントリーなど地域で食の支援活動を行う団体へと寄付される。食品ロス削減や食料支援、脱炭素につながる重要な取り組みだ。
この度、本取組みに賛同したJAの各支店にもファミマフードドライブの寄付受付BOXが設置されることになった。
各家庭にある食べきれない食品を各支店に集め、その後、集まった食品をJAで取りまとめ近隣のファミマフードドライブを実施するファミリーマート店舗に持ち込み、地域の協力パートナー(社会福祉協議会等)を通じて、食支援が必要な方々にお届けする。
両者は2024年11月から2025年3月にかけて、島根県農業協同組合(JAしまね)の5支店とJA東京中央の芦花支店でトライアルを実施。JAを利用するシニア層を中心に、家庭で食べきれない菓子や乾麺などの食品がJAしまねで約25kg、JA東京中央で約5kg集まった。
集まった食品は社会福祉協議会を通じて支援が必要な方々に届けられ、「普段食べているものとは違う物が入っていてよかった」「レトルト食品から調味料まで様々な物をいただきありがたい」といった反響があったことから、実施地域を全国に拡大することを決定した。
JAグループは「JAグループとファミリーマートは、活躍領域は異なるものの、いずれも地域を支える組織であり、両者が連携をすることで相乗効果を生み、より一層地域の活性化やサステナブルな取り組みが進展するものと考えております。 農林中央金庫は、全国の希望するJAの取組み導入を支援し、ファミリーマートとの連携によるJAと地域の皆さまとの『つながり強化』をめざします」とコメントしている。
農業を通じて「食品を作る」ことに携わってきたJAグループが、今回のフードドライブへの参画により、加工、そして回収された食品が最終的に食卓に届くまでの過程にも関わりを持とうとしている。「作る」から「届ける」までを見据えようとするJAグループの姿勢は、地域に根ざした組織ならではのムーブといえるだろう。