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環境に配慮できるゴミ袋「nocoo(ノクー)」発売開始から3年。再び井上社長に聞く、日本サニパック最新状況―後編―

環境に配慮できるゴミ袋「nocoo(ノクー)」発売開始から3年。再び井上社長に聞く、日本サニパック最新状況―後編―

環境に配慮できるゴミ袋「nocoo(ノクー)」発売開始から3年。再び井上社長に聞く、日本サニパック最新状況―後編―

インドネシアに自社工場を持ち、ポリ袋・ゴミ袋の開発・製造から販売までを自社一貫で行う日本サニパック株式会社(以下、日本サニパック)。同社が、燃焼時の二酸化炭素排出量を抑える優れたゴミ袋「nocoo」を発売したのが2021年4月でした。あれから3年が経ち、nocooがどのように展開されているのかを再び井上充治社長にうかがいました。本記事は、後編になります。

TOP画像:日本サニパック株式会社 スタッフの皆さま

前編記事はこちら(https://equallybeautiful.com/feature/268
nocoo、3年間の歩み
日本サニパックの主力製品nocooは2021年4月の発売以降、延べ2,800万人に使用されています。初年度の販売数量が500トンに対し、翌年の2022年には5,150トンと10倍に増加、2023年度の予想が5,650トンと、今なお増加傾向。「環境商材における日用品で、50億円規模の販売数量を持つアイテムは、ほかにはないのではないか」と、井上社長は分析します。
環境に配慮できるゴミ袋「nocoo(ノクー)」発売開始から3年。再び井上社長に聞く、日本サニパック最新状況―後編―

すでにnocoo製品は、日本全国47都道府県で販売。ドラッグストア、スーパーマーケット、ホームセンター、コンビニエンスストア、ECサイトなど、あらゆる販売チャンネルから入手可能となっています。

nocooが支持される理由は、ユーザーの品質要望を満たすことはもちろん、既存のポリエチレン製ゴミ袋と同価格を実現していることも見逃せません。
「環境に優しい製品は、どちらかというと機能的にはマイナス要因のほうが多いです。異なる素材を使用すると、色が変わったり、破れやすくなったり。機能が下がるならば、本来は価格を下げなければいけないのに、製造コストの影響で価格が上がる。そのギャップをなかなか埋められないというのが環境商材マーケットの実態です」
そうしたギャップを克服し、使うだけで環境問題に貢献できることが、nocooが市場に急速に浸透している要因です。nocooのラインナップは、2024年3月現在、ゴミ袋の大きさやサイズ違いなど、全222アイテム。日本サニパックが製造販売するゴミ袋が250アイテムということですから、すでに同社製ゴミ袋の88%はnocoo製品に置き換わっている計算になります。
「弊社では既存の100%ポリエチレン製ゴミ袋のパッケージと“同じサイズ・同じ枚数”のnocoo製品を提供して、これに置き換えていくことを推進しています」
環境に配慮できるゴミ袋「nocoo(ノクー)」発売開始から3年。再び井上社長に聞く、日本サニパック最新状況―後編―

自治体指定のゴミ袋としても兵庫県芦屋市をはじめ、西宮市、大阪府豊中市で採用済み、今年6月には静岡県浜松市での採用も決定しています。

さらには環境省が推進する「プラスチック・スマート」にも認定(※3)、農林水産省の「プラスチック資源循環アクション宣言」の事例としても紹介(※4)されました。自治体や国を挙げて、nocoo製品の活用と、その取組事例がアナウンスされている状況なのです。
(※3)https://plastics-smart.env.go.jp/case?_token=1U1ac9uWNau2hq4Bdc0CR03XSB5X9U8u1z41atBu&case=5160
(※4)https://www.maff.go.jp/j/plastic/torikumi.html
環境に配慮できるゴミ袋「nocoo(ノクー)」発売開始から3年。再び井上社長に聞く、日本サニパック最新状況―後編―
nocoo製品は、フィルム製造時のプラスチックの約24%を石灰石に置き換えているのが特徴です。したがって製品製造の段階でプラスチック使用量を約20%削減しています。しかも石灰石は燃えずに熱分解されるため、空気中の酸素と結びつかず、焼却時の二酸化炭素発生量も1/7程度まで抑制することが可能です。
その1/7についても、石灰石が熱分解された場合です。石灰石は825℃台で熱分解すると言われていますが、実際の焼却炉内温度とは600〜1,100℃。すると一部は熱分解の温度に至らないこともあり、その場合には、そもそも二酸化炭素が発生しないことが想定されます。
たしかに石灰石に置き換えることで、使用時の肌触りは多少異なります。石の成分を混入させるので、プラスチック100%製品に比べて強度が若干弱くなることも事実です。ただし、その強度はJIS規格を上回る品質が保証されています。そのうえで使用感に難があるならば、発売から3年が経った今でも支持され続けているはずがありません。
nocooに石灰石が入っていることで、焼却炉に残る残渣成分を懸念する自治体もあったそうですが、大学教授の研究結果なども開示しながら、問題がないことを双方で確認しつつ、先に述べた通り、導入事例が積み重なっています。
日本サニパックが短期間で目覚ましい成果を上げている理由のひとつに、積極的に組織改革を行っていることが挙げられます。SDGsオフィサーを経営会議に参画させ、専門的視点から事業の方向性をチェックしているのです。記事前半で紹介した渋谷区立臨川小学校との協業も、こうした視点からのGOサインでした。
「今後は皆さんに、さらにnocooを認知していただけるように、また自治体の方々とも対話しながら、このゴミ袋を届けていきたい」と、井上社長は話します。日本サニパックの活動は、昨年、『TIME』誌アジア版にも掲載されたそうです。渋谷から日本全国、さらには世界へ。ゴミ袋の選択で叶えることができる、いますぐにできる環境対策は、勢いを増しながら、その環を広げつつあります。
writer
Equally beautiful編集部
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