NEWS

プラスチックの余分「樹脂ダンゴ」に価値を見出す、エシカルな未来の創り方

プラスチックの余分「樹脂ダンゴ」に価値を見出す、エシカルな未来の創り方

プラスチックの余分「樹脂ダンゴ」に価値を見出す、エシカルな未来の創り方

株式会社船場は、コクヨ株式会社が東京・品川に新設した共創スペース「CREATION PLACE “BOXX”」の空間デザインに、エシカルデザインの理念を取り入れて参画した。コクヨの製造現場から排出される「樹脂ダンゴ」を活用したビッグテーブルの製作や、施工過程でのゼロウエイスト対応を通じて、持続可能な社会を目指した取り組みを実現した。

コクヨの共創スペース「BOXX」で実現したエシカルデザインの空間づくり
プラスチックを成形する際に、どうしても発生してしまうのが「樹脂ダンゴ」だ。これは、成型機に残ったプラスチックを清掃する際に、残ったプラスチックを硬化剤で固めて取り除いたもの。コクヨの製造プロセスでは、家具や文具を成形する機械の仕様により「樹脂ダンゴ」が発生する。
 (5841)

射出成形機

 (5843)

さまざまな色・形状をもつ「樹脂ダンゴ」

この「樹脂ダンゴ」に新しい価値をもたらすため、商業施設をはじめオフィスや教育、ヘルスケア、余暇施設等のさまざまな空間づくりを行っている船場は、コクヨが排出する樹脂ダンゴをビッグテーブルとして生まれ変わらせた。
「樹脂ダンゴ」に熱を加えて圧着して出来上がった天板は、コクヨの家具と文具で使用される異なる樹脂材を融合させることで、表情豊かな仕上がりが特徴。同社の持つサステナビリティへの取り組みを彩りあざやかに具現している。
 (5842)
コクヨ社内でも、毎年大量に「樹脂ダンゴ」を排出していることはあまり認知されておらず、これを活かしたプロダクトを作ることで、循環型社会に対する社員の意識向上につなげたいという。ビッグテーブルは、コクヨの新設された共創スペース「BOXX」に設置され、社内外の関係者がサステナブルなものづくりについて考える場となることを意図している。
また「BOXX」の施工も船場が担当し、ゼロウエイストを徹底した工事を行った。これは無駄なゴミや排出物をできるだけ減らそうという取り組みだ。その結果、廃棄物の分別を徹底し、解体工事で発生した廃棄物のリサイクル率は96.2%に達した。施工現場での廃棄物の処理コストを減らすだけでなく、環境への配慮にも一役買っている。
船場は、ただ「つくる」だけでなく、「つかう」や「すてる」に至るまで責任を持ち、ゼロウエイストの空間づくりを目指している。2024年には、すべての施工案件で1次リサイクル率平均94%を達成した。
 (5844)
船場は、業界の枠を超えたパートナー企業との協力により、未来にやさしい空間づくりを推進している。2024年12月には約70社の企業と共に「ETHICAL DESIGN WEEK TOKYO 2024」を開催し、エシカルな未来について考える参加型イベントを実現した。
今後も多様な分野のパートナーと共に、課題解決の幅を広げていくという。「SDGs」という言葉が次第に普及し、持続可能な社会の実現に必要なのは行動だ。1人や1企業では思いつかなかったり動けなくとも、協業すればイノベーティブなアイディアが生まれるかもしれない。
writer
Equally beautiful編集部
  • facebook
  • twitter
  • line