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サントリーが目指す、ペットボトルがゴミにならない世界

サントリーが目指す、ペットボトルがゴミにならない世界

サントリーが目指す、ペットボトルがゴミにならない世界

サントリー食品インターナショナル株式会社は、100%リサイクルペットボトルの累計販売本数が200億本を突破したと発表した。同社は2012年に国内清涼飲料業界で初めて「ボトルtoボトル」水平リサイクルによる100%リサイクルペットボトルを「サントリー烏龍茶」2リットルに導入してからさまざまな商品に展開されている素材だ。

化石由来原料の新規使用量を40万トン超削減
「ボトルtoボトル」水平リサイクルとは、使用済みペットボトルをリサイクルして新しいペットボトルに再生する仕組みのこと。新たな化石由来原料を使用しないため、ペットボトルを資源として国内で何度も循環させることができる。
加えて、新たな化石由来原料を使用してペットボトルを製造する場合と比較して、CO2排出量を約60%削減できるという。
清涼飲料業界では、限りある資源を国内で有効利用できる「ボトルtoボトル」水平リサイクルを推進しており、現在は約3割が水平リサイクルされている。業界では今後、2030年を目標に水平リサイクル比率5割を目標としている。
サントリーでは、2023年からは全ペットボトル商品の2本に1本以上が100%リサイクルペットボトルとなっている。2025年8月末時点で水平リサイクルされたペットボトルの累計販売本数が200億本を突破した。リサイクルペットボトルを導入しなかった場合と比較して、化石由来原料の新規使用量は、40万トン超を削減したという。
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日本では、ペットボトルの回収スキームが整備されており、回収率・リサイクル率は約9割と欧米諸国と比較して非常に高い水準を誇る。
いっぽう、使用済みペットボトルの回収には課題も残る。家庭ではきれいに分別されているが、家庭外では分別が十分に進んでいない。また、飲み残しや異物が入っているペットボトルは新しいペットボトルに生まれ変わることが難しいという問題もある。
サントリーグループは、ペットボトルの分別啓発コミュニケーションに注力してきた。あえてペットボトル飲料を飲み終える場面から始まり、外出先でもキャップとラベルをきれいに分別するテレビCMやウェブ動画の制作、小中学校・商業施設等での出張授業などの取り組みを行ってきた。
サントリーグループは2019年に策定した「プラスチック基本方針」において、「2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルに、リサイクル素材あるいは植物由来素材等を使用することで、化石由来原料の新規使用をゼロにする」という「ペットボトルの100%サステナブル化」の目標を掲げている。
日本は世界的に見ても高いペットボトルリサイクル率を誇っているが、外出先での分別が進めば、さらに向上する余地は十分にある。家庭での丁寧な分別習慣が外出先でも広がれば、「ボトルtoボトル」水平リサイクルはより一層進み、持続可能な循環型社会の実現に近づく。日本のリサイクル文化には、まだまだ伸びしろがあるといえるだろう。
writer
Equally beautiful編集部
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