INTERVIEW

地球想いのスーツケースで、いつもの旅をエコに楽しむ

地球想いのスーツケースで、いつもの旅をエコに楽しむ

地球想いのスーツケースで、いつもの旅をエコに楽しむ

旅の思い出の傍らには、いつもスーツケースがあります。初めての海外旅行、友人との卒業旅行、実家への帰省。旅には欠かせない相棒ですが、その役目を終えた後の扱いに困っている人も少なくないのではないでしょうか。粗大ごみに出すのか、回収業者を探すのか。役割を終えたスーツケースは、廃棄物として認識されることがほとんどです。 そんな中、スーツケースに新しい選択肢が生まれています。伊藤忠リーテイルリンクが展開する環境配慮型のスーツケース「TIERRAL(ティエラル)」です。発売からわずか2年で3.5万台の販売実績を持つ新ブランドの開発背景に迫ります。

少しでも地球に優しく。リサイクルPETへのこだわり
「TIERRALの前身となるスーツケースは、バージンPET※を使用していました。ですが、今後の地球環境のことを考えた時にリサイクル原料へと舵を切ることを決めたんです」
※リサイクル材を含まない、化石燃料から製造されたPET樹脂のこと。
そう語ったのは伊藤忠リーテイルリンクの山口さん。同社は生活の中で当たり前に触れる日用品や業務用資材を取り扱い、人々の生活がより豊かになるよう常に課題意識を持ち、時代に合ったビジネスを展開し、成長を続けています。
地球想いのスーツケースで、いつもの旅をエコに楽しむ

伊藤忠リーテイルリンク株式会社 営業第三本部 ライフ&リビング第一部 ライフ&リビング第二課 チーム長 山口 純宏さん

TIERRALの開発にあたり、山口さんが注目したのは、リサイクルPET樹脂(以下、リサイクルPET)でした。リサイクルPETの強みは、他の素材と比べて環境負荷が低く、さらにマテリアルリサイクルによって資源の有効活用ができる点です。
「TIERRALには93%以上のリサイクルPETを使用し、製造工程で出た端材も原料にしています。コストの面ではバージンPETや、スーツケースに一般的に使われているABS樹脂などの素材を使った方が良いとは思います。それでもリサイクルPETを選択した理由の一つが、スーツケースの廃棄問題です」
地球想いのスーツケースで、いつもの旅をエコに楽しむ
捨てられないスーツケースを目指して
コロナ禍で外出が制限され、役割を失ったスーツケースは多くの家庭で廃棄されました。その量は、「それまで粗大ごみとして有料で廃棄していた自治体も、一般ごみで処理するレベルになるほど」だったそうです。
「リサイクルPETを使用していれば、たとえ捨てられたとしても、環境への負荷を軽減できます。ただ、捨てられないことが大前提ではありますよね。旅行の機会が激減したコロナ禍は特殊な状況でしたが、スーツケースの廃棄理由の多くがキャスター部分にまつわるものなんです。キャスターの修理費用は一般的に8,000円から1万円ほど。ボディが無事であっても、です。その金額を出すくらいなら…と、買い替えを選択される方も多い。そこでTIERRALではキャスターを簡単に取り外せる機能を搭載しました」
TIERRALのキャスターは女性でも簡単に取り外しが可能になっていて、交換はもちろん、キャスターの汚れを拭き取ることも出来ます。
地球想いのスーツケースで、いつもの旅をエコに楽しむ
地球想いのスーツケースで、いつもの旅をエコに楽しむ

スライドを操作するだけで、誰でも簡単にキャスターが取り外せる。

「着脱できるキャスターは他社にもありますが、工具いらずのものはまだ出てきていないのではないかと思います。着脱のしやすさだけではなく、価格面も重視していて、TIERRALのキャスター交換費用は一つ2,000円(2025年時点)。これなら、万が一キャスターが破損しても買い替えずに済みます」
長く使っていただけるということは、捨てられる機会を減らせるということ。素材面だけではなく、機能面でも環境問題へ配慮したTIERRAL。続いては、その優しい眼差しから生まれたブランドコンセプトに迫ります。
私たちの「これから」を大切にする。
地球想いのスーツケースで、いつもの旅をエコに楽しむ
「TIERRALは2022年末から1年間かけてブランディングを行い、“私たちの「これから」を大切にする。”というコンセプトを定めました」
その“これから”には、子どもたちの未来も含まれています。TIERRALは国連WFP(世界食糧計画)のレッドカップキャンペーン に参加。一つ売れるごとに、1食分の給食が寄付されています。
「TIERRALと一緒に旅をしていて立ち寄った国が、レッドカップキャンペーンの対象地域だった。もしかしたら、自分が購入したスーツケースの売上の一部が、この国に寄付されているのかもしれない。そんな風に感じてもらえると嬉しいですね」
TIERRALというブランド名には、スペイン語で「地球」を意味する「tierra」が含まれています。ブランドロゴは、その地球をスーツケースが旅する軌跡を表現。地球だけではなく、そこに生きる人々にも寄り添っていきたい。そんな願いが込められています。
地球想いのスーツケースで、いつもの旅をエコに楽しむ
「過去があったから、私たちの今があります。つまり、人生そのものが旅の経験なんですよね。“これから”の人生の体験や時間を、TIERRALと共有していただきたい。それが、我々が目指していきたいことです」
TIERRALは現在、Puffer・TORERU2.0・TOMARU2.0の3つのシリーズを展開。より多くの方のニーズに応えていくために、2025年には4つ目のシリーズが加わる予定なのだとか。
「再生ポリカーボネートを使用した、より強度の高い製品の開発を進めています。これは単なるバリエーション展開ではなく、TIERRALがブランドとして成長していくためのアプローチなんです。様々な世代の方にご利用いただけるようになれば、お子さんの初めてのスーツケースには“TIERRALがいいよ”と言ってもらえるかもしれない。長く使える製品なので、引き継いでいってもらうのも、もちろん大歓迎です」
地球想いのスーツケースで、いつもの旅をエコに楽しむ
「今は、50年、100年とブランドを続けていくための第1フェーズ。私たちの挑戦はまだ始まったばかりです。例えば、回収したスーツケースから新しいスーツケースを作る。それは現時点の技術では難しいです。でも、TIERRALというブランドが次の世代に受け継がれていく中で、そんな夢も現実になるかもしれません。そのためには、もっともっとTIERRALを知ってもらうことが必要です。これからどんどんギアを上げていきますので、注目しておいてください」
地球への優しさを形にしたスーツケース、TIERRAL。それは今、旅する人、そして未来を生きる人々への想いをも包み込みながら、新たな一歩を踏み出そうとしています。
TIERRAL 
https://www.tierral-official.com/

伊藤忠リーテイルリンク 
https://www.itc-rl.co.jp/
writer
Equally beautiful編集部
  • facebook
  • twitter
  • line