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Equally beautiful. 第3回目

Equally beautiful. 第3回目

Equally beautiful. 第3回目

バイオプラスチックの中でも脚光を浴びているバイオマスプラスチック。それは意外な原料から作られていた。地球に負担をかけにくい原料から作られるバイオマスプラスチックの現在を知っておきたい。

すべては等価値の世界に。人の命と地球の命はEqually(等価)である。自分のこととして地球を考える連載。
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バイオマスプラスチックは、目から鱗の資源から作られる。
先日、ファッションブランドが数社集まった合同展示会に行ってみたところ、エコバッグだけを並べたブースを見つけた。ブランドは「BALL&CHAIN」。デザインのセンスも良く、有名ブランドとのコラボやキャラクターを使用した親しみやすくキャッチーなラインナップだったのだ。まだ記憶に新しい2020年の7月1日に開始されたレジ袋の有料化にともなって立ち上げたアイデア事業だと思う。
この有料化は誰もがエコバッグ、マイバッグと呼ばれる買い物袋を持つようになるきっかけになっている。ただし、有料でなくても良いプラスチック製の買い物袋もあるので、簡単に紹介したいと思う。
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この3点の中でも2と3はバイオプラスチックといわれるもので、前回の原稿でも書かせていただいた。こうしたバイオプラスチックは本当に身近な存在になっていることがわかるだろう。前回のおさらいになるが、バイオプラスチックは生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックに分けられるわけだが、環境省も一目置いているのが「バイオマスプラスチック」の存在だ。
そもそもバイオマスプラスチックとは何か? についてもう少し詳しく見ていこう。2020年9月25日の「日本経済新聞」の朝刊に掲載された記事を見つけた。そこには「伊藤忠商事が廃食油で包装プラ 食品・日用品に向け」とある。ここにバイオマスプラスチックを知る重要なことが書かれていた。
簡単に掻い摘んで紹介したい。
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使用済みの食用油、例えば飲食店で揚げ物を揚げた廃油を原料として、プラスチック製品を製造し、販売するということなのだ。また、廃油のみならず、紙パルプ生産のときに排出される副産物トール油(松脂のようなもので、松材を原料にクラフトパルプを作るときに副成する、樹脂と脂肪酸を主成分とする油)という、油を原料にプラスチックを作ってしまうというものだ。このふたつの油は「非可食性」と呼ばれ、今までは肥料などの使い道はあったが、それでも驚きの廃油がプラスチックの原料になってしまうという凄さ。第二世代のバイオマス樹脂ともいわれているのだ。
これを原料に主要プラスチックのひとつ、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)を作っていくという。
ちなみにPPは包装材などに使われていて、国内プラスチック全体の5分の1を占め、年間約250万トンが流通されているそうだ。
PPの需要は高いがゆえに、石油に頼らないバイオプラスチックを導入することはCO2削減に繋がる大切なアクションと言える。将来的には人気のファミチキを揚げた廃食油からバイオマスプラスチックを作るということも夢ではなくなりそうだ。
バイオマスプラスチックは、いいことづくめ。
ここで、さらに詳しく知りたかったので、伊藤忠商事さんから資料を取り寄せてみた。
まずはこの図を見て欲しい。
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もう少し詳しく、この図を説明して行きたいと思う。
1、    CO2削減。つまり温暖化対策になる。
2、    非可食性なので、食品競合がない。
3、    既存の石化樹脂と同じ品質。
4、    既にリサイクルされている素材を使用することで、今までのリサイクルループを壊さない。
5、    第三者認証のため、信頼性が担保されている。
といった点が挙げられる。
バイオマスプラスチックは温暖化対策になりながらも高品質のプラスチックなのだ。
次回はこのバイオプラスチックの良いところの5番目の「第三者認証のため、信頼性が担保されている」というところに着目してみようと思っている。
転載減:OPENERS