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AIの力で、「リサイクル」をみんなのものに。Googleのオープン AI「CircularNet」

AIの力で、「リサイクル」をみんなのものに。Googleのオープン AI「CircularNet」

AIの力で、「リサイクル」をみんなのものに。Googleのオープン AI「CircularNet」

Googleは、リサイクル施設の廃棄物識別を高精度化するオープンAIモデル「CircularNet(サーキュラーネット)」を発表した。国や地域関係なくリサイクル効率をアップする新しい手段が登場した。

廃棄物を効率よく・正確に認識
循環型社会を実現するためには、従来の消費や廃棄から脱却し、再利用、修理、リサイクルすることが必要になってくる。しかし、そこに立ちはだかるのは正確な分別が難しいということ。間違った分別は、安全上のリスク、処理コストの増加、材料品質の低下を招いてしまう。
現在、廃棄物を識別・分別するマテリアルリカバリー施設(MRF)では、自動化と手作業を組み合わせて分別を行なっている。しかしながら、その材料の正確な識別と分離は、高精度といえないのが現状だ。
この課題を解決するため、Googleは「CircularNet」を開発した。CircularNetは、廃棄物の識別をより正確で、アクセスしやすくしたオープンソースのAI・機械学習モデルだ。
本サービスは、数千枚の実世界の写真を読み込ませトレーニングされており、紙、プラスチック、金属といった材料の種類だけでなく、ボトルや缶といった形状、さらにはHDPEやPETなどの特定のプラスチック種類まで認識できる。リサイクル専門家やMRFと協力し、実際の条件下でのトレーニングとテストが実施され、精度が高められた。
インドのスタートアップ企業Recykalとの実証実験では、CircularNetのAI機能により、材料検出精度が90%以上に達したという。これにより、リサイクル可能物の純度が約60%向上し、材料価値は6倍に増加。毎月50,000メートルトン以上の廃棄物が埋立地から転用される結果となった。
CircularNetは、既存技術に基づいて構築され、GitHubで公開されているところもポイント。TensorFlowとGoogle Cloudによってサポートされており、大規模なデータ処理と世界中へのデータ提供が可能になっている。ユーザーは、ガイドとスクリプトをGitHubから自由にダウンロードし、使うことができる。
現代社会では、富や権力の集中に加えて、情報や先端技術へのアクセス権の格差が新たな課題として浮上している。そのなかで、「CircularNet」は、オープンソースとして世界のあらゆるところからアクセス・利用できる道を選んだ。
GoogleのCircular Economy Leadであるネイサン・ガスマン氏は、「Googleは、事業、製品、サプライチェーン全体で有限資源の再利用を最大化し、他者も同様にできるよう支援することを目指している」とコメントしている。
「CircularNet」先進国のリサイクル施設だけでなく、発展途上国の事業者も同等の技術へのアクセスに簡単にアクセスすることができる。国や地域、言語を超える「CircularNet」は、循環型社会という考えの普及と、その実現が加速するサービスになるかもしれない。
writer
Equally beautiful編集部
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