NEWS

「たまごっち」と「カードダス」で楽しくエコな趣味活を

「たまごっち」と「カードダス」で楽しくエコな趣味活を

「たまごっち」と「カードダス」で楽しくエコな趣味活を

弊誌では、衣・食・住に関する製品やサービスのSDGsへの対応や取り組みの多く紹介してきた。しかし、いまや娯楽や趣味の分野でも取り組みは必須だ。「たまごっち」や「カードダス」といったゲーム・おもちゃでもリサイクル素材を使った製品が誕生している。

楽しい・面白いが、環境をもっと良くする
平等に与えられた時間のうち、大抵の人々はその多くの時間を労働や勉学に使い、残りを睡眠や食事といった時間に充てている。さらにそれらを引いた時間のみを趣味といった、自身の好きなことに使うことができる。
生きていく上で趣味というものは必ずしも必要ではない。しかし、生命維持ではなく人生に彩りをもたせるために趣味という行為は必要だ。ほかの動物にはない、人生を愉しむことは人間だけが得られる貴重なものだ。
SDGsや環境問題はビジネスや政治において取り扱われることが多いが、趣味の場面では少ないように感じられる。それは、衣服をはじめ工業製品などには、生活を営むための「必要性」が発生しているが、趣味という分野は規模が小さく、生活必需品と相対的に環境への負荷は小さいからであると推測する。とはいえ、どのような分野でもSDGsへの対応は必須。趣味でも環境に配慮しているものの方がよいはずだ。
以前、弊誌ではBANDAI SPIRITSを取材。プラモデルのランナー(外枠)を回収し、新たにプラスチックとして生まれ変わらせる「エコプラ」プロジェクトでは、ファン心理をきっかけにしてサステナブルな行動を動機付けるという、ファンと楽しみながらサステナブルな社会を目指すという取り組みを紹介した。
SDGsへの取り組みは、難しく、ひとによっては興味が沸かない問題でもあるだろう。そこに「楽しみ」や「面白さ」が加わると、ひとの心を動かし、ひとが集まってくるのだ。
卵の殻からできた!サステナブルなOriginal Tamagotchiが登場!! | NEWS | Original Tamagotchi | たまごっち公式サイト
「たまごっち」もそのような製品作りが行われた。1996年にバンダイから発売された電子ゲーム「たまごっち」は、筐体が卵をモチーフにデザインされており、キャラクターを育成する。発売当初から社会現象になるほどの大ヒットを記録し、いまでも新作が作られるなど人気の高さがうかがえる。
2024年、廃棄されるはずの卵の殻から作られた「オリジナル たまごっち セレブレーション エッグ」がリリースされた。環境に配慮するとともに、卵の殻ならではの風合いや手触りを楽しめる。すべて異なる素材感をもっており、世界にひとつしかない特別感のある「たまごっち」が手に入る。
「卵でできた『たまごっち』があれば面白くない?」という開発会議での一言をきっかけにプロジェクトが始まったという本製品。耐久性の問題で、試行錯誤を繰り返した結果、素材の3割を卵の殻にすることで十分な強度を得られたという。
モチーフである卵から「たまごっち」が出来たら面白い、という開発者の好奇心から始まっている。それにほかの開発者が賛同し、集まることでそれが具現したのだ。
 (5287)
同じくバンダイの製品である「カードダス」でもサステナブル化が進んでいる。トレーディングカードゲームの開封済みカードパックを回収し、カードケースに生まれ変わらせるリサイクルプロジェクトがスタートした。
これは回収したカードパックを使用した『再生カードケース』を再びユーザーに届けることにより、プラスチックごみの削減に貢献する。同時にユーザーがリサイクル活動に参加することで、リサイクルへの関心を高めることを目指しているという。
 (5288)
開封済みカードパックは、全国のONE PIECE カードゲーム公式ショップやイベント会場に回収BOXを設置する。回収したものを、仕分け・破砕、溶かすことでプラスチックの原料とする。そして成形することで『再生カードケース』として生まれ変わらせる。
出来上がった『再生カードケース』は、「東京おもちゃショー2024」に出展するバンダイ・BANDAI SPIRITSブース内「未来・クリエイション」ブースにて、アクティビティの参加者(小学生以下限定)に配布された。それに自分たちが集めたカードを入れ遊びに出かけることで、身近な体験につながる。
 (5286)
楽しいもの、面白いものに人は関心をもち、集まってくる。ユーザーやファンのみならず、開発側も楽しみながら企画・実践をしていることが、今回の記事から分かる。それは諸問題を難しく考えすぎず、楽しさや面白さを見出せるかどうかがにかかっている。「SDGsは楽しい」、この言葉はサステナブルな社会を実現するのに、今後重要なポイントになるかもしれない。
writer
Equally beautiful編集部
  • facebook
  • twitter
  • line