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エコマーク、「バイオマス由来特性を割り当てたプラスチック」の取扱方針を制定

エコマーク、「バイオマス由来特性を割り当てたプラスチック」の取扱方針を制定

エコマーク、「バイオマス由来特性を割り当てたプラスチック」の取扱方針を制定

エコマークは、2022年9月1日付で「エコマーク認定基準における「バイオマス由来特性を割り当てたプラスチック」の取扱方針」を制定した。

エコマークが2015年に取りまとめた「エコマーク認定基準における植物由来プラスチックの取扱いについて」 では、「植物由来プラスチック(原料樹脂)のトレーサビリティに関する基準」「バイオベース合成ポリマー含有率に関する基準」「環境負荷低減効果に関する基準」「有害物質の制限とコントロールに関する基準」「使用後のリサイクル性に関する基準」「植物由来かつ生分解性プラスチックの表示に関する基準」の6つの基準を設けている。
以後、環境負荷低減効果が確認されたバイオマスプラスチック(バイオPE、バイオPET、バイオPTT、PLAを対象)について、各商品類型に認定基準を導入し、製品の認定を行ってきた。
昨今では、化石資源からプラスチックを製造する工程に、バイオマス原料由来のバイオナフサなどを混合し製造したプラスチックが欧州を中心に発売。日本でも普及する可能性があるという。このプラスチックは製造時のバイオマス原料の投入量と生産量をマスバランス方式と呼ばれる手法で管理し、バイオマス由来特性を割り当てることを特徴としている。
政府の「バイオプラスチック導入ロードマップ」にも同プラスチックに関する記載があるほか、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、新規投入されるプラスチックがバイオマス由来であることが主流化するまでの過渡期の方式として、再生可能資源(バイオマス等)の活用を飛躍的に拡大させるポテンシャルを秘めている。
このバイオマス由来特性を割り当てたプラスチックは、現在、普及が進んでいる従来のバイオマスプラスチックの樹脂の種類(セグリゲーション方式で作られたバイオPE、バイオPET、PLA等)以外にも、幅広い樹脂の種類を製造することが技術的に可能だという。
2022年5月、エコマークはパブリックコメントを実施し、バイオマス由来特性を割り当てたプラスチックをエコマークの各商品類型に基準項目として新たに導入するための基本方針を取りまとめた。
主にバイオマス由来特性を持った素材、および製品についてフォーカスをあてたものになっており、エシカルな商品へのエコマークの付与が期待される
EBは、バイオマス由来のプラスチック製品の取り扱い方針を制定したことについて、エコマーク(敬称略)に話を伺った。
EB 今回「エコマーク認定基準における「バイオマス由来特性を割り当てたプラスチック」の取扱方針」を制定されたわけですが、各社の反応はどのようなものでしょうか?
エコマーク 方針制定前後に、各社から様々な声がエコマーク事務局に寄せられています。取扱方針案についてのオンライン説明会には300人以上が出席し、関心の高さを実感しました。
また、マスバランス方式は国内ではまだ馴染みが薄く、取り扱う事業者や購入する消費者が安心して活用できる環境の整備を行っていくことが必要とのご意見もありました。エコマークもその一翼を担えるようにと考えています。
EB 今回マスバランス方式でのエコマークを制定するように至った背景について、お聞かせいただけますでしょうか。
エコマーク エコマーク事務局では、新たにエコマークの認定対象とする環境配慮型の商品・分野の募集を毎年10月に行っています。バイオマス由来特性を割り当てたプラスチックについては、2020年10月に複数の事業者から提案があり、検討会を設置して取扱方針を策定しました。
EB エコマークが生まれた1989年と現代の状況を比較してどう思われますか?
エコマーク 制度創設当時(1980年代後半、90年代)は身近な環境課題が中心でした。現在は、気候変動対策としてカーボンニュートラル、資源循環としてサーキュラーエコノミーなどのグローバルな環境課題が中心となってきました。これらの環境課題の解決には、サプライチェーンを通じて様々な手法により取組みを進めることが重要と感じています。
今回のバイオマス由来特性を割り当てたプラスチックは、2050年に向けた過渡期の管理方法ですが、2050年のカーボンニュートラルに向けて、バイオマス由来原料の活用を飛躍的に進めるポテンシャルを持っていると考えています。
今後は、2022年度内を目標に、エコマーク商品類型No.140「飲食料品、化粧品、家庭用品などの容器包装Ver1」等の認定基準に本方針による基準項目を導入し、製品の認定を開始する予定だという。
エコマークは、いわば環境に配慮した商品を通じて持続可能な社会実現を目指す企業・団体と、環境に配慮した商品を選びたい消費者をつなぐコミュニケーションツール。これからも、サステナブルな未来への道しるべとなるだろう。
「エコマーク認定基準における「バイオマス由来特性を割り当てたプラスチック」の取扱方針」
https://www.ecomark.jp/pdf/biomassMBplastic_policy.pdf
writer
Equally beautiful編集部
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