INTERVIEW

日本酒造りはSDGsに近い業界、 「日本盛」のお酒は地球に優しい!(後編)

日本酒造りはSDGsに近い業界、 「日本盛」のお酒は地球に優しい!(後編)

日本酒造りはSDGsに近い業界、 「日本盛」のお酒は地球に優しい!(後編)

日本盛さんの工場見学、後編は本邦初公開と言われる、昔ながらの日本酒づくりの手仕込みの小さな工房「SAKARI Craft」に潜入!真摯な酒造りの現場から垣間見られる日本酒の現在を取材!

 (2540)
「日本盛は良いお酒〜♪」で親しまれている「日本盛」さんへの潜入取材! 後編は日本酒の取り組みを伺いました。「健康」をキーワードに日本酒の新しい形を見据え、同時にパッケージへのこだわりで環境に配慮する姿勢。そして、100年後も日本酒造りを続けるための持続可能な伝承技術。古くからの日本酒造りが可能な、日本酒の仕込み工房である「SAKARI Craft」の紹介(本邦初!)など、盛りだくさんの内容でお届けします。
 (2541)
「お酒の魅力をもっと若い人に知ってほしい。日本が誇る文化資源ですから!」と曽我専務。
常に先を見据えた企業姿勢が健康ブームの先駆けになった!
 (2542)
本業の日本酒もさまざまな取り組みがなされています。
「「健康」をコンセプトにして開発したのが、2015年発売の「糖質ゼロプリン体ゼロ」です。その前身は2003年の業界初糖質50%オフ「グリーンパック」。さらに遡ると業界初の健康をコンセプトにした「健釀」を1995年に発売しています。日本盛は日本酒メーカーとしては灘では新しい会社なので、自由な発想で勝負していく特徴がありますね」
と曽我さん。
お酒の容器として紙パックの使用にも積極的に取り組んでいらっしゃいます。紙パックの利点はなんと言っても輸送時のエネルギーを削減できることです。瓶に比べ軽く、さらには四角い紙パックは隙間なく運べるので、効率的です。
「紙パックも昨年から一部の商品に森林認証紙とバイオマスフィルムを使い、さらに商品によってはインクをライスインクに変更して環境にやさしいものを使っています。内側のコーティングもアルミ蒸着からガラス蒸着にすることで、回収と再利用を可能にしました。ただ新しいことをするだけではなく、昔ながらの良さを続けることも大事です。一升瓶のリターナル(回収から洗瓶、再使用という循環型)も続けています」
新しいものの良さをきちんと理解した上で取り入れつつ、昔の良さもきちんと残す、使用する容器でも日本酒の奥深さに通じるものを感じさせられます。最後に、もうひとつの柱「新鮮」に関してお話を伺いました。
 (2543)
「こちらも業界初なのですが、2015年に「生原酒200mlボトル缶」を発売しました。蔵元直送の新鮮な生原酒をいつでもどこでも味わっていただきたいという願いからです。また、アルミ缶は遮光性に優れ、品質保持、
割れない、軽い、リサイクル可能と環境配慮にマッチするものです。日本盛のボトル缶は広口にすることで、日本酒本来の持つ芳香を存分に感じていただけるものになりました」
このボトル缶が徐々に独り歩きし始めて、まるでメディアのようになっていくそうです。
「アルミボトル缶の利点はリキャップできることもあり、アウトドアでもお楽しみいただけます。そこに着目して、アウトドアブランドの「モンベル」さんとコラボレーションをしました。本来は蔵元など限られた場所でしか飲めなかった生原酒を外で楽しんでもらえるようになったのです。また、2021年には「BEAMS  JAPAN」さんとのコラボレーションもあり、若者層へのアプローチもできました。日本酒の良いイメージを醸成できたと思っています」
また、阪急西宮北口駅ナカで生原酒の量り売りをすることによって、蔵元でしか味わえない生原酒の搾りたてを楽しんでいただく機会も設けていました。こうしたチャレンジ精神が日本盛さんの特徴なのだと感じました。
昔ながらの日本酒造りを次世代に伝えていきたい。
「シンプルに伝えることが大事なのだと思っています。「米ぬか美人」が売れた理由の一つには、70代、80代の方が生活の中で「ぬか袋」で廊下を拭いてピカピカになったというこれまでのイメージがあったと思うのです。「ぬか」は自然のものでしかも綺麗になるから、良いというイメージが伝わりやすかったのではないでしょうか。日本酒も根本的なところでは水と米と菌でできるシンプルなものです。この原点に立ち返ることで、日本酒のさらなる魅力が見えてくると思うのです。100年先にも日本酒を造り続けていてほしい。

その技術を次世代に伝えることが、われわれの使命だと感じています。杜氏の技術、手造りの良さを守りながら、受け継いでいくことはとても大切なことです」
 (2544)
 (2545)
ということで、EQUALLY BEAUTIFUL編集部は本邦初公開(醸造に必要な機械の搬入業者さんを除いて社員の方以外が入るのは本当に初めてだそうです)、手仕込みの小さな工房「SAKARI Craft」に潜入しました。ここは日本酒造りのすべてを人の手で行なうというプリミティブな作業場です。また、日本盛さんでは仕込みに関するすべての工程で宮水を使用していました。お酒造りにとって「宮水」がいかに大切かがわかります。
ここでは精米されたお米を洗米し、浸漬、蒸米から麹菌を付ける室があり、仕込みから発酵、圧搾といった工程をすべて昔ながらのやり方で行っていました。杜氏さんを入れても6人で全行程を行なうのですが、これでびっくりしていたら、大間違い。実はこの手造りの仕込みデータを工場での日本酒造りにも反映し、美味しさへの追及に日々挑戦し続けています。
 (2546)
若い蔵人たちも生き生きと自信を持って酒造りに精進しているのが印象的でした。真摯にお酒造りに向き合う姿がありました。
伝統の技を伝えることもまたSDGsなのだ。そんな風に思える光景でした。
writer
Equally beautiful編集部
  • facebook
  • twitter
  • line