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子ども視点で、今日からできることを探す「カーボンニュートラルのサバイバル」出張授業 開催

子ども視点で、今日からできることを探す「カーボンニュートラルのサバイバル」出張授業 開催

子ども視点で、今日からできることを探す「カーボンニュートラルのサバイバル」出張授業 開催

2023年2月6日、神奈川県・川崎市の洗足学園小学校にて、「カーボンニュートラルのサバイバル」出張授業が行われました。参加したのは、洗足学園小学校に通う5年生の皆さん。東大発知識集団「QuizKnock」の伊沢拓司さん、ふくらPさんが壇上に上がった途端、子どもたちは大興奮!! 彼らの丁寧なクイズ解説や、ワークショップでのグループ発表に対するコメントに、全員が真剣な表情で聞き入っていました。

あのQuizKnockが、目の前の舞台に登壇! 楽しく学ぶ、貴重な体験
「カーボンニュートラルのサバイバル」とは、朝日新聞出版の児童向け月刊誌「ジュニアエラ」、保護者向け季刊誌「AERA with Kids」、そして学習漫画の「科学漫画サバイバル」シリーズが、トヨタ自動車協賛のもと、伊沢拓司さん率いる「QuizKnock」とタッグを組み、発足したプロジェクトです(※詳細はこちらの記事へ)。「QuizKnock」が得意とするクイズというツールを使って、環境問題などの社会課題を子どもたちに伝えるこのプロジェクトは、これまでも誌面やYouTube番組を通じて、貴重な学びを提供してきました。
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朝日新聞出版の片桐圭子さん。

プロジェクトを統括する朝日新聞出版の片桐圭子さんは、こう語ります。
「いまSDGsが、子どもたちの夏休み自由研究の主要なテーマになっています。 “カーボンニュートラル”は、それほどメジャーなキーワードではありませんが、範囲が広く、なかなか捉えづらいSDGsに比べて、カーボンニュートラルというように焦点を絞っていくと、自分ごとにしやすく、子どもたちにとっても自分で何かできることがあるかもしれないと考えられるようになります。そういう側面でも、とてもいいテーマだと思います」
「カーボンニュートラルのサバイバル」プロジェクトでは、これまでに「ジュニアエラ1月号」の付録や、オンラインイベント(見逃し視聴:https://youtu.be/q6GMgfDeEY4)でコンテンツ提供が行われてきました。そして今回は洗足学園小学校で、実際に対面形式で行われれる“出張授業”です。テレビでよく観る有名人が、すぐ目の前に登壇するとあって、子どもたちの集中力もまったく途切れず、「QuizKnock」メンバーとのやりとりを楽しんでいました。
片桐さんは、こう話します。
「子どもたちにメッセージを伝えるときに、やはりクイズという手法が非常に効果的のようです。日頃からクイズに慣れ親しんでいるということもありますし、QuizKnockさんたち自身が、人気を集めているということもあります。以前から『サバイバル』シリーズの応援団としてご一緒してきたんですけれども、今回も力を借りるならばQuizKnockさんたちの他にはいないと、お願いをした次第です」
QuizKnockの伊沢さんも、イベントを終えて、こんな話をされていました。
「QuizKnockは、“楽しい”から始まる学びを広めていくことをコンセプトにしています。その学びに含まれるものは、国語・算数・理科・社会だけじゃない。アイディアだったり、概念をもっと楽しく広めていけるんじゃないかと思っています。こういう催しは、QuizKnockにぴったりなので、YouTube動画に限らず、もっと取り組んでいきたいと思っています」
今回のイベントは洗足学園小学校の先生からも好評でした。担当の先生によると、地球温暖化の問題は、小学5年生の社会科および6年生の時事問題で扱うそうです。ただし、子どもたち自身で、何ができるかを話し合うというところまでは、授業に盛り込めず、今回はとてもいい機会になったと話されていました。
日本政府は2050年のカーボンニュートラル実現を目標に掲げ、取り組みを進めている最中ですが、その目標が実現に至る頃には、いま小学5年生の子どもたちも、37〜38歳になっています。つまり、立派に社会で活躍している大人であり、社会の主役となっている世代なのです。出張授業では、そうした指摘から入っていきました。

2050年と聞くと、まだまだ先のように思えます。しかし、カーボンニュートラルの実現は難しい問題ゆえに、大人たちだけではなく、子どもたちも含めて、いま、全員で考えていかなければいけないということを、再認識しました。
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クイズパートの第1問目は、「カーボンニュートラルとは、何を意味するのかを問う質問。これに対して、3択が用意されました。こうしたクイズに、面白くてためになる豆知識を加えていくのが、QuizKnockのスタイルです。

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どの子どもたちも、真剣な眼差し。テレビ番組さながらのトークに、釘付けです。

ところで、「カーボンニュートラルのサバイバル」プロジェクトは、なぜ多彩なメディアで情報発信を手掛けるのでしょう? 誌面、動画配信、そして今回は対面授業と、アウトプットの形態を問いません。これに対し、プロジェクトを統括する片桐さんは「情報がさまざまな形態で、シャワーのように浴びせられていることが当たり前となっている現代において、手法を限定せず、複数の表現手段から情報を届けることが大事」と、説明します。未来を生きる子どもたちに知っておいてもらいたい情報は、手を変え品を変え、あらゆる方法で日常的に届けつつ、どこかのアンテナで子どもたちが反応してくれればいい……なるほど、これなら確実です。
さらに片桐さんは、こう続けます。
「オフラインのイベントは予定調和ではなく、思いがけない方向に話が転がっていく面白さ、その面白さを共有できる楽しさがあり、この場に居合わせた子どもたちにとって、忘れられない体験になるのではないかと思っています。また、この出張授業の様子は、後日、YouTube配信されます。この場にいなかった子どもたちも、この授業を疑似体験できるのですが、自分と同じ年代の子どもたちが楽しんでる姿は、やはり見ていて楽しいもの。このリアルな感情が、力強い情報拡散力になると思っています」
授業を終えた子どもたちは、みんな満面の笑みを浮かべていました。「クイズ形式なのが楽しかった」「グループワークで、みんなで考えて、発表したことが楽しかった」と、授業内容に大満足の様子です。そう、この出張授業では、数名ずつのグループに分かれ、カーボンニュートラルに対して、自分たちが今日から何ができるのかを考え、それぞれ発表していく場が設けられました。そうやって、友達がどんな意見を持っているのかを知る体験が、いつしかまた、友達同士で地球環境を話し合う際の土台になるのでしょう。
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グループワークでは、「カーボンニュートラルに対して、今日から自分たちができること」をテーマに話し合いが行われました。

前出の洗足学園小学校の先生は、こう振り返ります。
「有名なタレントさんと、子どもたちで一緒に話し合いが行われ、そこで化学反応が起きていたことが、見ていてとても楽しく思いました。子どもたちからの意見にも丁寧に答えていただいたので、いい学びになったと思います」
子どもは子どもの目線で、カーボンニュートラルの問題に向き合う姿勢が印象的でした。たとえば、ペットボトル問題についてですが、「海洋プラスチックゴミを減らすために、水筒を活用する」というグループワークの意見は、普段から水筒を使い慣れている子どもたちならではの発想。子どもに率直に指摘されて、大人が襟を正すということもありそうです。
最後に、片桐さんのこの言葉で、記事を締めくくりたいと思います。
「子どもの情報拡散力って、実はすごいものがあります。子どもが興味を持つと、親もそれに興味を持つということがあると思うんですよね。そのためにも、子どもたち自身、自分たちも世界が掲げる目標を達成するための一員なんだと自覚できることが大事。君たちに今できることがある、ということを示すことが、これからの未来を明るくするのかなと思っています」
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参加した子どもたちと一緒に、記念写真をパチリ。グリーンのTシャツを着用している人物は、左から順に、QuizKnockのふくらPさん、同じく伊沢拓司さん、そして、ジュニアアエラ編集長の鈴木さん。

writer
Equally beautiful編集部
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