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SDGsありきではない、 今までやってきたことがSDGsだっただけ。

 SDGsありきではない、 今までやってきたことがSDGsだっただけ。

SDGsありきではない、 今までやってきたことがSDGsだっただけ。

廃棄になる素材を元に立ち上げた、コールマンの新プロジェクト『MFYR』。その根底にあるのは昔からやっている「当たり前」のことでした。だからこそ続けられるのだということを改めて感じました。今回はそんなコールマンが「昔からやっていること」についてお聞きしていきます。

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「コールマンのアイテムは、メンテナンスをすれば、20年30年と使えるものがあります。そのため、過去の製品を可能な限り修理できるように、商品を卸している店舗さんとも連携しています。このような話をすると、皆さまからサスティナブルですねとよく言われるのですが、我々にとっては当たり前のことでした」
しかしながら、この「当たり前」が実は世間では普通ではないことだったと、SDGsを通して中里社長は知ったと言います。
「一方で、反省点もあります。我々にとって、商品のメンテナンスは当たり前のことで、アピールすべきことではないと思っていたのです。街の電気屋さんもそんなこと当たり前にやっている。ただ、そういう機能が段々無くなっている今の時代背景を考えたときに、私たち自らが発信していくことが大切だと分かりました。そうでないと、無駄な消費を増やしてしまいます。だから私たちは、無理に新しいものを買わなくて大丈夫です、直しますから、と発信しています」
愛着こそがサスティナブルを実現する。
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「愛着が湧いてくると、商品を長く使ってくれます。そういう人を増やしていきたいですね。自慢ではありませんが、40年前の製品も、修理道具を整えており、何とか直せます。修理体制自体がロングライフなんです。コールマンが日本に来て45年になりますが、変わらず守り続けている伝統です」
そんなコールマンが、SDGsに対して敢えて意識していることはあるのでしょうか。中里社長から返ってきたのは、少し意外な答えでした。
「理想は追い求めてはいけないものだと思っています。『MFYR』 をやっていながらこんなことを言うなと怒られるかもしれませんが、夏用のキャンプ製品を作る時に熱を吸収する素材がもしかしたら環境に悪い素材だったりしても、手を出す可能性はあります。製品としては、涼しいことが正しいからです。面白いキャンプをしてほしい。それが、コールマンの軸なんです。その中で育まれていったのが、製品のロングライフであり、『MFYR』が生まれる基盤にもなりました」
アウトドアの素材はプラスチックであることも多いです。サスティナブルな素材に変えるといっても、既存のものより質が落ちると意味がありません。その点、今使っている素材を、質を落とさないままバイオ化するプロジェクトや、漁網由来のナイロン繊維に変えるという選択肢は将来的にはありそうです。
「『MFYR』があれだけご支持いただけているのを見ると、今自分たちに何ができるだろうと、改めて考えることが重要なのだと感じます。もちろん、そもそも廃棄にならないようなモノづくりを行えばいいのですが、すぐに実現できるものではない。それなら、今出来る範囲で回せばいいと思っています。頑張りすぎると、かえって駄目になることもありますからね」
消費が無ければ、ビジネスという生活の利益は生まれない。経済を回していくことも、持続性に繋がります。
「今までのやり方を変えなければならないと気負い過ぎるから、規制や規則になりやすい。今のSDGsを取り巻く流れを見ていると、もう少し肩の力を抜くことも大事かなと思います」
キャンプ歴が長い人ほど自然を大切にする意識が高い。
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アウトドアを楽しむ人々の環境への意識についても気になるところです。
「キャンプ歴の長い方は、環境への意識が高い傾向にあります。長くキャンプをやるほど自然に接する時間も長くなるわけで、自然を大事にしようとなる。つまり、キャンプを長く続けたいという気持ちが誰よりも強いので、ゴミも真面目にちゃんと処理している。処理するゴミは少ない方が楽だし、自然とミニマムになる。キャンプ場のマナーもしっかり守ります。」
一方で、新規のキャンパーの環境への意識は、啓発していかないと高まらないものだと中里社長は言います。
「これまでも毎年新規でキャンプを始める方が増えていたのですが、コロナ禍でそれがさらに倍増している状況です。ただ、キャンプ場におけるマナーをあまり知らない方が多い印象です。そもそも、キャンプ場は山を切り崩して作っているので、自然を維持するという視点を持たなければなりません」
マナーを教えるアプローチの仕方にも工夫があると中里社長は言います。
「ただでさえコロナ禍で制約が多い今、マニュアルやルールという堅苦しい言葉を使わないことに決めました。そうして出来上がったのが、グッドキャンパーの心得です。ビギナーの方が楽しく読めて、マナーを学べるようにイラストをふんだんに使って、誰でも分かりやすいような作りを心がけました。印刷して現地で使えるようにもしていて、様々なキャンプ場や店舗さんが活用してくださいました。私も2ヶ月前、千葉でキャンプしたらチェックインの時に配られました。草の根的な活動ではありますが、重要だなと思った瞬間です」
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最後に、中里社長が個人的に取り組んでいるSDGsについて、お聞きしました。
「マイバックを使います。あと、夏場はシャワーで過ごします。風呂を溜めると水を大量に使いますからね。また、地元の食材を食べるようにしていますね。スーパーの傷物も買うようにしている。それから肉は月1~2回程度に抑えています。美味しいけど、畜産は環境への負荷が大きいですからね。他には、10年間毎月ユニセフに募金するようにもしています。元々やっていたこともあれば、最近意識し出したこともありますが、結構気楽にやっています。仕事と同じかもしれませんね」
『MFYR』という新たなブランドの確立は、中里社長率いるコールマンが昔から実践してきた事業の延長線上にあります。出来ることに気付いた際にとりあえず始めてみるということ。ここから新たに繋がるSDGsもあるのではないでしょうか。
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writer
Equally beautiful編集部
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