洋服を作る際の裁断くずを原料として新しい洋服を作り出す
生分解され土に還るハンガーを開発
「nest Robe / CONFECT (ネストローブ・コンフェクト)」は、“天然素材”をコンセプトに、環境に配慮しながら一つひとつ丁寧なモノづくりに取り組んでいるファッションブランド。2021年春夏コレクションより発売した「UpcycleLino(アップサイクルリノ)」は、洋服を作る際の裁断くずを原料として新しい洋服を作り出す、完全循環型プロダクトである。
無染色のリネン生地の裁断くずは、再び糸に戻し、その糸で生地を織り新しい洋服を作ることで、ゴミを出さないモノづくりが実現できた。では、洋服にできない染色済みの裁断くずはどうするか。それらは革新的なオリジナルハンガーへと生まれ変わるのだ。しかも、天然素材を原料として作られているため、生分解され土に還るハンガーとして使えるという。「アップサイクルリノ オリジナルハンガー」 (5本セット) は、オンラインショップ限定販売される。
「アップサイクルリノ」のハンガーができるまで
①ハンガーになる裁断くずは、岡山県の工場へ集められ、そこで粉砕機にかけ、繊維状になるまで細かく粉砕。
②粉砕したものを原料にして、ふんわりとしたフェルト状のボード=「フェンツ」 に加工。この「フェンツ」から型を抜き、ハンガーの形に。
③バインダー(固着剤)と熱で圧縮し、硬化させることで、プロダクトとして使用できるまでの強度にして完成。
①ハンガーになる裁断くずは、岡山県の工場へ集められ、そこで粉砕機にかけ、繊維状になるまで細かく粉砕。
②粉砕したものを原料にして、ふんわりとしたフェルト状のボード=「フェンツ」 に加工。この「フェンツ」から型を抜き、ハンガーの形に。
③バインダー(固着剤)と熱で圧縮し、硬化させることで、プロダクトとして使用できるまでの強度にして完成。
また、このハンガーの完成には、岡山県を拠点に「3sun(サン)」、「BAILER(ベイラー)」という、新しい物作りの形を提案するアップサイクルブランドを手掛けていた、「IWAO co.ltd」代表の岩尾慎一さん、洋子さん夫妻の協力を得て実現した。裁断くずのハンガー作りは高度な技術を必要とし、工場探しは困難を極めたが、夫妻の地元であり、繊維・紡績業が盛んな岡山県にて素晴らしい技術を有する工場を紹介してもらったおかげで、ハンガー作りがスタート。“アップサイクル”の名前のとおり、人と人の繋がりが輪になって循環し、完成したプロダクトなのだ。
アップサイクルは、従来のリサイクルとは次元が違い、新たな姿を得て、我々の前に出現する。価値ある素材は、たとえ形が変わっても、その本質を失うことなく受け継がれていくのだ。日常生活のなかにあるハンガーが、その意味を感じるきっかけになるかもしれない。