新たに2030年までに温室効果ガスの排出量を50%削減するという積極的目標を策定
顧客企業を通じても低炭素への変革を推進
レノボは、ThinkPadシリーズなどノートパソコンをはじめ、スマートフォン、タブレットなどコネクテッドデバイス製品を製造する企業だ。レノボを含むハイテク製造業は、従来型の製造業と比べて、サプライチェーンがより高度で、全体的な電力消費量も比較的高い傾向にある。カナダのマックマスター大学の研究によると、グローバルな排出量の中で情報通信技術(ICT)の占める割合は、2007年の1.6%から2040年には14%まで拡大すると予測されている。
そうした予測に対して、温室効果ガス排出量を過去10年間で92%削減するという目標をすでに達成したレノボは、さらに環境保護をさらに推し進めるべく、科学的根拠に基づき、新たに温室効果ガスの排出を2030年までにさらに50%削減するという積極的目標を打ち出した。
加えて、レノボでは、自社製品の製造過程及びサプライチェーンのグリーン化し、さらに顧客の企業活動のグリーン化をサポートするソリューションを提供している。
世界で販売されるPCの8台に1台が製造されている、中国東部・安徽省の合肥にあるレノボの製造拠点では、人工知能(AI)技術と数学的アルゴリズムによって、生産計画を最適化するシステムを導入。製造拠点の生産効率の向上と遊休時間の短縮を実現し、年間2,696MWh以上の電力の削減を実現。この年間電力削減量は、実に2,000トン分の二酸化炭素排出量削減に相当し、年間11万本の植樹と同等の効果である。
また、レノボは2005年以降、製品ポートフォリオ全体を通じて4万9895トン以上の再生プラスチックを使用している。また、2008年以降で3,100トン以上の包装廃棄物を削減し、2019~2020会計年度には、包装使用量を560トン削減したほか、2050年までにウォーター・スチュワードシップを推進し、水ストレスを低減させる国連の「CEO Water Mandate」にも参加した。
一方、コンピューターシステムから効率的に熱を除去するLenovo Neptune™ は、レノボの水冷技術を搭載したハードウェアと、冷却環境を効果的に管理および制御するソフトウェアを組み合わせた、業界をリードする包括的な水冷ソリューションである。これを活用することで、エネルギー消費量を最大40%削減しつつ、妥協のないパフォーマンスを維持することが可能。データ活用が進み、ハイパフォーマンス・コンピューティングの需要が拡大する中、科学とインテリジェント・コンピューティングを連携させることで、レノボはグリーンなハイパフォーマンス・コンピューティングの新時代を切り開いていく。
さらに、レノボは自社の業務だけでなく、より幅広い社会・経済セクターの顧客企業を通じても、低炭素への変革を推進。その一例として、エネルギー業界向けのレノボの予測型保守ソリューションが挙げられる。これは、リモートセンサーを使用して、風力発電機の稼働率と発電効率を向上させるもので、顧客企業の運用・保守コストを5%削減するとしている。