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コロナ禍で大量に廃棄される今治工場の残り糸をタオルに

コロナ禍で大量に廃棄される今治工場の残り糸をタオルに

コロナ禍で大量に廃棄される今治工場の残り糸をタオルに

今治タオルの生産過程で生まれる「残り糸」。それを用いてタオルを作る「残り糸削減プロジェクト」がスタートした。それぞれ異なる糸を織り込むので、色の組み合わせは千差万別。カラフルな色合いに仕上がっている。

地球環境保護をはじめとしたSDGsの実現へ「残り糸削減プロジェクト」を開始
カラフルでポップなルックスと、高品質を両立
今治タオルといえば、優れた吸水性が話題となり、安心安全で高品質であることから、お祝いやお返しに重宝されるブランドタオルだ。
その特徴でもある、見た目の鮮やかさは、あらかじめ染めた糸で織る「先晒し(さらし)」と呼ばれる工法によるものだ。一方で、課題もある。工場では、不良品ができたときの予備として染めた糸を生産量より1〜2割多く用意する。その余った糸が「残り糸」となってしまうのだ。生産の都合上、他のタオルなどへの代用は難しく、1つの工場からゴミとして捨てられる残り糸の量は、年間でフェイスタオル5万枚にも匹敵するという。
こうした独自の工法に加え、コロナ禍で各種イベントの中止が相次ぎ、タオル工場では生産量が激減。急なキャンセルなどで想定以上の糸が余り、残り糸がどんどん溜まって廃棄されているのが、今の状況である。
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そこで、廃棄される「残り糸」を活用した今治タオル「nokori-ito」が生まれた。
今治のタオル工場で、製作される「nokori-ito」の特徴は、なんといってもカラフルな色合い。そのときどきの残り糸を使うので、色の組み合わせは千差万別になるのだが、それも味になっている。また、拭きやすくて乾きやすい、厚手で長持ちするよう品質は保持されている。
この『タオル工場の廃棄する糸を減らして、地球環境に貢献したい【残り糸削減プロジェクト】』は、経済、環境、人、それぞれで良いサイクルを生み出す目標であるSDGsに向けた取り組みの一環で、具体的な6つの取り組みを実現させる。
①売り上げの3%を貧困の子どもたちに支援
②就労支援施設に包装作業などを依頼
③残り糸を活用し長く使ってもらえる商品に
④ゴミを減らし、温室効果ガスを削減
⑤包装にはクラフト紙を採用
⑥今治工場や就労支援施設と連携した取り組み
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そして、繊維商品の卸売を行っている神野織物(大阪府吹田市・明治32年創業)は、プロジェクトの実現に向け、このほど、クラウドファンディングで支援の募集を行った。支援総額は、目標額である20万円を大幅に上回り、約100万円で着地した。支援の広がりにより、環境にも人にもやさしい今治タオルが、多くの消費者に触れてもらえるのは喜ばしいことだ。
writer
Equally beautiful編集部
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