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CO2排出ゼロ。ALLbirdsのネット・ゼロカーボン・シューズ

CO2排出ゼロ。ALLbirdsのネット・ゼロカーボン・シューズ

CO2排出ゼロ。ALLbirdsのネット・ゼロカーボン・シューズ

ALLbirdsのシューズ「M0.0NSHOT」は、生産・流通におけるCO2排出量を実質的にゼロにすることを実現した。2024年秋のリリースを予定している。

生産プロセスで植物がCO2を吸収
⾃然由来の素材を使って、環境負荷を考慮しながら⾰新的なシューズやアパレルを提供するライフスタイルブランドAllbirds(オールバーズ)。
今回登場するネット・ゼロカーボン・シューズ「M0.0NSHOT」は、素材から廃棄まで、ライフサイクル全体のCO2排出量を指すカーボンフットプリント(CFP)をゼロにした。シューズのCFPの業界平均は約14kg。これをほぼゼロにしていることがポイントだ。
物流においても空路に比べてCO2排出量が少ない海上輸送を主に使用し、港からの陸上輸送はEV(電気)トラックを採用するという。
しかしこういった取り組みだけでは排出量をゼロにすることは不可能だ。オールバーズは、スニーカー本体やソールなどに使う素材でカーボンネガティブを実現したのだ。炭素隔離という考え方に基づいて、素材に使い植物の栽培プロセスで土壌に隔離されたCO2が排出量を上回るために実質的にCO2排出量をマイナスとみなしている。
CO2排出ゼロ。ALLbirdsのネット・ゼロカーボン・シューズ
本体の原料にははメリノウールが使われている。これは農薬や化学肥料を使わずに自然の再生力を活用する「環境再生型(リジェネラティブ)農場で育てた羊の毛からできたものだ。牧草は空気からCO2を取り込み、根を通じて土壌に炭素を閉じ込める。これにより空気から取り込む温暖化ガスの量は、羊による排出量を上回るという。
CO2排出ゼロ。ALLbirdsのネット・ゼロカーボン・シューズ
またソールには、自社開発されたサトウキビ由来の素材であるスイートフォームを採用。石油素材のソールを1トン製造すると2.8トンのCO2が排出される。スイートフォームの場合は1.2トンのCO2を吸収することになるという。排出ではなく、CO2を吸収することが可能なのは、植物由来ならではのプロセスだ。配送に使うポリエチレンもサトウキビ由来で、これらもCFPゼロに一役買っている。
オールバーズは、日本における新たなパートナーシップとしてアウトドア・スポーツの分野で人気を誇るゴールドウィンを選択。⽇本国内における独占販売契約を締結した。ゴールドウィンは、直営店・オンラインストアのオールバーズ製品の流通とブランディングを継承。今後オールバーズのアイテムの拡販を図る運びとなった。
CO2排出ゼロ。ALLbirdsのネット・ゼロカーボン・シューズ
以前よりゴールドウィンは、サステナブルな社会を実現するために環境負荷の低いアイテム作りに携わってきた。2015年より、Spiberと天然の構造タンパク質素材であるクモ糸の再現と、そのアパレル製品への応用を目指して共同研究開発を開始。2015年10月には現「MOON PARKA」の初代プロトタイプモデルとして天然のクモ糸タンパク質であるフィブロインを用いたアウトドアジャケットが開発されている。
開発された構造タンパク質「Brewed Protein™」の最大の特長は、その原料を石油などの化石資源に依存しないこと。微生物を活用し、主に植物由来の糖類(グルコースやスクロース)を原料として、発酵生産。石油由来の原料を使用せず、アパレル分野における脱マイクロプラスチック・脱アニマルのニーズや輸送分野における軽量化のニーズ、また人工毛髪や医療分野などに対しても、大きな役割を果たせる可能性を秘めており、持続可能な社会の発展に資する次世代の基幹素材として注目されている。
このように脱炭素を意識したアイテムが各社から誕生している。常にカーボンネガティブ実現のための開発は進んでおり、オールバーズがCFPゼロを達成した。「CFPゼロ」が当たり前になる時代も、そう遠くはないかもしれない。
writer
Equally beautiful編集部
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