国内で資源を循環させる「CAN to CAN 水平リサイクル」
アルミ缶の水平リサイクルとは、使用済みのアルミ缶を廃棄・他の製品へ再利用・海外流出するのではなく、またアルミとして使うことができるよう、アルミの板製品へと再生させることで国内で永久的なアルミ資源の循環を生み、「水平循環」する仕組みである。
アルミニウムという素材は、他の金属と比べて融点が低く溶解が容易なため、リサイクルしやすい。リサイクルに必要なエネルギーも新規製造時の3%で「リサイクルの優等生」と言われるほど。アルミ新地金を全量輸入している日本にとって、使用済みアルミ缶は貴重な資源だ。そしてアルミをリサイクルし、新たなアルミ資源へと活用することはアルミ素材の自給率高める上でも重要だ。
今回構築された3社共同のサプライチェーンでは、住友不動産が保有するオフィスビルから排出されるアルミ缶を原料として利用し、再生工程を経てUACJの工場へと届けられる。工場ではアルミ板製品に加工され、そのアルミ板を使って東洋製罐グループが新しいアルミ缶や飲料用アルミカップ「Lumisus®(ルミサス)」へと生まれ変わる。
ルミサスは、東洋製罐グループの「aTULC(aluminum Toyo Ultimate Can)」技術を用いたアルミカップ。環境に配慮した材料と加工方法で作られており、保冷性に優れる。住友不動産が運営するオフィスの桜まつりなどで、ルミサスを屋外飲料用カップとして導入・活用し、アルミ缶と同じスキームで水平リサイクルされる予定だ。今後さらにこの取り組みが多くの人に認知され、アルミ資源の国内循環が進むことが期待される。