世界で最も軽い天然繊維と言われる「カポック」。羽毛の代替素材としても注目
23年春夏シーズンの無印良品では、「カポック」の色そのままの生成やデニム生地のダークネイビー、合わせやすい黒などベーシックなカラーを中心に、着回ししやすいアイテムを揃えた。
「カポック」とは、木の実からつくられた天然繊維。東南アジアの熱帯地方に自生する樹木で、病害虫に強いため農薬をほとんど使用することなく、少ない水や肥料で育つ環境負荷の少ない植物だ。その実から取れる繊維は、中が空洞のため軽く、空気を多く含む特徴があり、世界で最も軽い天然繊維と言われている。古くからクッションなどの詰め物に使用されてきたが、近年ではアウター類の中綿や羽毛の代替素材としても注目を集めている。
近年アパレル業界においても、環境問題や労働問題、アニマルフリーなど、さまざまな課題に向けて企業が取り組んでいる現状があり、木の実由来で、高機能、アニマルフリーな「カポック」への注目度も、自然と高まってきているようだ。
カポックを使った商品を展開するファッションブランド「カポックノット」は、ブランド誕生以来「カポック」の良さを伝え、機能性とデザイン性を兼ね備えたサステナブルなモノ作りを行っている。22年秋には、女優・二階堂ふみ氏とカポックを使用し共同制作したアウター3型を発表した。
ほかにも、衣料品や生活関連用品を展開する通信販売のセシールや、人気ファッションブランド「MOUSSY」の大人の女性へ向けたライン「M_」などでも、「カポック」を使用したアイテムを展開しており、徐々にアパレル業界へと浸透している。
これからも、アパレル業界で「カポック」がどのような存在になっていくのか、注目していきたい。