NEWS

ファミリーマートで消費者が参加する実証実験を計画中!ペットボトルのリサイクルチェーンを見える化

ファミリーマートで消費者が参加する実証実験を計画中!ペットボトルのリサイクルチェーンを見える化

ファミリーマートで消費者が参加する実証実験を計画中!ペットボトルのリサイクルチェーンを見える化

旭化成、ファミリーマート、伊藤忠商事、伊藤忠プラスチックスは、ファミリーマート実店舗において消費者がペットボトルのリサイクル状況を確認できる、トレーサビリティ(追跡可能性)システムを用いた実証実験を行うことで合意。初回は2022年秋以降に行う予定だ。

企業から消費者まで、横断的なデジタルプラットフォームの取り組み
再生プラスチックの利活用促進を目指す
昨今、かつてはゴミとして処分されたものを資源として再利用する資源循環が進んでいる。特に、同じ資源を繰り返し使用する「水平リサイクル」は、原料となる石油をほとんど追加利用しないことから二酸化炭素排出量も軽減され、より環境にやさしいと注目されている。
その水平リサイクルの代表格がペットボトルをペットボトルにリサイクルすることだ(ボトル to ボトル)。実際ファミリーマートでは、2021年7月から、再生PET樹脂100% のリサイクルペットボトルを、自社プライベートブランドのミネラルウォーターの容器に使用している。
一方、旭化成は、資源循環を促進させるデジタルプラットフォームの構築を行う「BLUE Plastics」プロジェクトを2021年度に発足。このプラットフォームでは、リサイクルチェーンにおけるデータ改ざんを防ぎ、トレーサビリティを担保することができるという。
そこで、旭化成が企画設計・検証およびトレーサビリティシステム(プロトタイプ)提供、ファミリーマートが都内一部店舗(23区内)を活用し、伊藤忠商事および伊藤忠プラスチックスが、トレーサビリティシステムの社会実装に向けた支援・協業する形で、コンビニエンスストアを起点としたペットボトルのリサイクルチェーン可視化の実証実験をスタートさせることになった。
 (2939)
まず、消費者が、本実証実験を行うファミリーマートの店頭に設置された回収箱に、使用済みペットボトルを投入。その際、回収箱に印字されたQRコードをスマートフォンで読み取り、投入したペットボトルの本数をアプリ上で登録する。
ブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳技術の活用によって、再生品の配合率を偽るなどといったデータの改ざんを防ぎつつ、正しく追跡。消費者は自身が投入したペットボトルが回収後にリサイクルのどのプロセスにあるのかを確認できる。また、自らの回収記録が閲覧できるので達成感もあるというものだ。
自分の使用済みペットボトルがどう再生されるのかを知ることは、消費者の意識と行動を変え、再生プラスチックの促進につながるはず。本実証実験ではその消費者の行動変化を調査することでシステムの効果検証を行い、社会実装上の課題を抽出。これにより、トレーサビリティの価値を検証するとしている。
さまざまな企業から消費者まで、幅広く使うことができる横断的なデジタルプラットフォームの開発はリサイクルチェーンにとって実に有効的だ。消費者が追跡できるようになれば、不正などの問題の抑止力にもなるし、使用後の流通にも関心を持ってもらえる。
捨てて終わりではなく、その先に目を向ける。さらなるプラスチック資源循環の推進には、個々の努力のみならず、他の企業や消費者との連携が必要だろう。地球規模の環境問題には、皆が参画する循環型社会でなければ立ち向かえないのだから。
writer
Equally beautiful編集部
  • facebook
  • twitter
  • line