コロナ禍で廃棄危機となったビールから生まれたクラフトジン『REVIVE』に新たな2種が登場！

循環経済を実現する「エシカル・ジン・プロジェクト」

今回、元となったビールはヒューガルデンと IPA

新型コロナウイルスの感染拡大は、外食産業やビール市場に大打撃を与え、ビールの販売数量は大幅に落ち込んだ。この事態に立ち上がったのが、通常は廃棄される「酒粕」をジンに再生させた『LAST』シリーズを作っていたエシカル・スピリッツだった。

「バドワイザー」ブランドをグローバルで展開するアンハイザー・ブッシュ・インベブジャパンと、老舗日本酒メーカー月桂冠の3社共同で、2020年9月に『REVIVE』を数量限定で生産したのだ。

ビールを蒸留しジンに変える技術を月桂冠へ提供し、廃棄予定であった約8万杯分のバドワイザーの提供を受け、世界にも類を見ない漬け込み式のビールから生まれたクラフトジンがREVIVEである。

REVIVEシリーズには、REVIVE(蘇る)の意味通り廃棄されるはずだった未活用素材へ、新たにジンとしての命を吹き込むという想いが込められているという。

そのREVIVEシリーズに、新たな2種が発表された。ベルギーを代表する “ホワイトビール”で、香り華やぐフルーティな味わいの「Hoegaarden（ヒューガルデン）」から生まれた『REVIVE from Hoegaarden <Root>』。そして、ホップのもつ香りや苦味が強い、アメリカンクラフトビールのパイオニアである “シカゴ発のIPA” を再生した『REVIVE from IPA <Disrupt>』だ。

『REVIVE <Root> 』と『REVIVE <Disrupt>』のために、余剰ビールを再生する蒸留レシピがそれぞれ２段階のステップで用意された。

まず、ビールをジンのベーススピリッツにするために2回蒸留する。このプロセスでは茨城県の「明利酒類」と協力し、2021年9月から約2ヶ月でベーススピリッツを完成させた。

次に、蔵前の「東京リバーサイド蒸溜所」にて、ベーススピリッツの香りやそれぞれのブランドを意識したボタニカルを使用し、独自のレシピでクラフトジンとして製品化したのだ。

これにより、コロナ禍で2021年の夏までの段階で廃棄危機となった余剰ビール “約6万L” が 15,000本以上のクラフトジンとして蘇る（1本 375ml 換算）ことに。そして、2022年5月9日(月)よりオンラインでの一般販売が開始された。

再生と循環をテーマに掲げるエシカル・スピリッツは、2020年3月より、酒粕を再蒸留しクラフトジンを生産及び販売し、その利益から酒米を酒粕提供元の蔵元に提供し、再度そこから日本酒を生産するという世界初の循環型「エシカル・ジン・プロジェクト」を始動。

2021年1月にはスピリッツ製造免許を取得し、東京・蔵前に蒸留所『東京リバーサイド蒸溜所』を建設し、再生型蒸留所を運営する。エシカル生産及び消費に特化した世界初の再生型蒸留所として蒸留酒を生産。さらに、蒸留所の稼働だけでなく、そこで買い物やバーダイニングでの飲食も楽しめるようにして、一般客にもエシカルジン体験を提供している。

また、2022年1月には、コーヒー豆の出し殻から作るクラフトジンやエシカルスイーツを提供する “コーヒー＆ジンスタンド”『The Ethical Spirits & Coffee』1号店を東京大手町にオープン。循環型社会の実現に向けたプロジェクトは垣根を越えて着実に進行中である。

こうした取り組みはもちろん、エシカル・スピリッツが多様な日本酒製造蔵やビール製造蔵と協業しているところや、ジンに加えるボタニカルも意識の高い生産者の品を厳選しているところも素晴らしい。これからもサステイナブルなスピリッツブランドとして新しい世界を広げてくれることに期待したい。

『REVIVE from Hoegaarden 』
価格｜3,300円
品目｜ジン
アルコール分｜45%
容器｜375ml瓶
※ヒューガルデンの持つ優しい香りと、コリアンダーシードとオレンジピールの香りを活かしながら伸ばすボタニカルを選出。八朔の甘くて爽やかな柑橘香に、コリアンダーシードの爽やかさが効いた味わい。