ECONYL®を使用した、環境配慮型ファスナー、ボタンが新たに発売
伊藤忠商事、YKK、Aquafil社の3社が共同で製品開発
伊藤忠商事は、2021年2月にリサイクルナイロンブランド「ECONYL® (以下「エコニール」)」を展開するAquafil社とナイロン循環リサイクルビジネスの拡大について提携を発表しており、廃ナイロンの回収及び最終製品の販売拡大・新規開発に取り組んできた。
昨今の環境意識の高まりから、リサイクル原料に対するニーズはファッション業界でも年々高まっており、大手ファッションブランドを中心に、衣類や鞄等の生地としてエコニールの素材が採用されている。
いっぽう、既存のファッション製品は複数の原材料が使用されているため、回収時の素材毎の分別がむずかしく、リサイクルする上での大きな課題のひとつだった。
このような環境の中、リサイクル比率向上のため、最初からリサイクルを前提に単一の原材料をベースに製品を製造する「モノマテリアル化」という概念が注目を集めている。ファッション業界では、ファスナーやボタン等の副資材も含めた原材料を統一することで「モノマテリアル化」を実現する試みが行われている。
伊藤忠商事、YKK、Aquafil社の3社は、ファッション製品に使用されるファスナーやボタン等の副資材についてリサイクルナイロンを原材料とした製品を開発することで合意し、この度YKKの環境配慮型商品NATULON(ナチュロン)シリーズの一環としてエコニールを使用した製品「NATULON® made with ECONYL®」をYKKが販売することになった。
製品のデザイン性や品質を保った上でリサイクル性まで配慮された「NATULON® made with ECONYL®」は、ファッション業界でのモノマテリアル化の促進や、循環リサイクルの実現への貢献が大きく期待されている。
まずはYKKイタリア社にて生産し、欧州エリアを中心とした販売を開始する。伊藤忠商事はYKKへのエコニールの安定供給、ナイロン廃棄物の回収等に取り組み、ナイロンリサイクルビジネスの拡大を目指すという。
伊藤忠商事は、今後もナイロンリサイクルビジネスの更なる拡大を通じて、持続可能な循環型社会の実現に貢献していくという。