海洋プラスチック問題に立ち向かう若い力
オーストラリア発の海洋ごみ回収装置「Seabin」を設置
武蔵野大学工学部環境システム学科では、学生が自ら見つけた課題に対して計画、行動し、実現するといった学生の自主性を尊重した課題解決型授業「環境プロジェクト」を実施している。
その一つである『海洋プラスチックラボ』では「今ある海ごみを減らしていこう」「自分達で科学的に調査しよう」「回収した海ごみを何とかしよう」「海洋プラスチックラボを知ってもらおう」の4つをテーマとして掲げ、2019年4月から活動している。
2019年5月、日本初のシービンが湘南港(神奈川県)に設置されたという情報を知った学生らがシービンを取り扱う株式会社平泉洋行に自ら連絡を取り、本学有明キャンパス付近での設置に向けて共同で動き始めたことが今回のシービン設置の実現につながった。
海洋ごみ回収装置「Seabin」 設置式典の様子(オンライン)
産官学連携で設置した 海洋ごみ回収装置「Seabin」
シービンとは2014年からプロジェクトが始まり、欧州で試験を繰り返して2017年から実機の販売が開始された海洋プラスチックごみ回収装置。現在まで39の国と地域で860台が設置され、日本では18台(うち9台が関東)が設置され、海に浮遊しているごみを自動で回収し、回収能力は1日最大20kgという。
そこで、市民の問題意識を高めるためクラウドファンディングを行い、市民、協賛企業からの246人の支援のもと約180万円の設置資金を調達。
新型コロナウイルスの影響により当初の設置場所変更や計画延期を余儀なくされたが、結果的にSDGsや海洋ごみに関心を持つ横須賀市、株式会社平泉洋行、株式会社フラッグ、Maris&KMBP共同事業体、環境保護団体Pono Ponoと共同で10月20日にシービンを横須賀市立浦賀ボートパークに設置された。
設置場所の「横須賀市立浦賀ボートパーク」は、横須賀市の「海洋プラスチックゴミ対策アクション宣言賛同事業者」に認定され、2020年に「未来に残そう私達のマリンフィールド」という新たな事業テーマを設定し、地域社会とともに海洋プラスチックや温室効果ガスといった環境問題の解決に向け取り組んでいる。
本装置の設置が産官学連携によって実現したことに意義を感じる。今後、学生らはシービンを別の場所にも設置できるよう活動していくとともに、授業の一環として海洋ごみの回収物の調査、報告書を公表するほか、海洋プラスチックを有効活用するリサイクルの試みとして、アクセサリー等の材料にするイベント開催などを検討。
また、シービンを活用したSDGs学習プログラムを考案し、地域の小・中・高等学校へ提供することで、企業、自治体、市民とともに地域全体で環境への意識を高めていくとしている。未来を担う若者のこうした行動力こそが、環境問題の解決に欠かせない要素になっていくに違いない。
武蔵野大学有明キャンパス
【関連リンク】
■武蔵野大学環境プロジェクトHP:https://mu-projects.com/
■武蔵野大学工学部環境システム学科HP:https://musashino-sustainability.org/
■Seabinオンライン設置式典ダイジェスト:https://youtu.be/L9S64C5tw04
■武蔵野大学真名垣研究室 HP:https://www.smanagaki-lab.com/marineplastic-lab
■武蔵野大学HP:https://www.musashino-u.ac.jp/
■武蔵野大学環境プロジェクトHP:https://mu-projects.com/
■武蔵野大学工学部環境システム学科HP:https://musashino-sustainability.org/
■Seabinオンライン設置式典ダイジェスト:https://youtu.be/L9S64C5tw04
■武蔵野大学真名垣研究室 HP:https://www.smanagaki-lab.com/marineplastic-lab
■武蔵野大学HP:https://www.musashino-u.ac.jp/