プラスチック製品をもっと環境にやさしく
ファミリーマートでも再生PET容器を導入へ
環境省が掲げている「プラスチック資源循環戦略」。
これは2030年までに容器包装のリユース・リサイクルを6割に引き上げるなどの目標を設定した取り組みだ。
伊藤忠グループのなかで、包装材料分野を主力事業の一つとする伊藤忠プラスチックスでは、PETボトルのリサイクル事業を2020年より開始している。
世界で最も厳格な基準の一つとされる米国FDA(食品医薬品局)の安全基準を満たした装置を欧州のメーカーから導入。三重県の協力会社(PETリサイクル業者)に無償貸与している。
ここでは回収されたPETボトルを粉砕、FDA基準に準拠した方法で洗浄し、原料として再生させている。
再生PETはフレーク、及びシートの状態となり、食品容器の原材料として食品容器メーカーへと販売される。2021年度には年間9,000トン、2025年度までには16,000トンの販売を目標に掲げている。
また伊藤忠グループであるコンビニエンスストアチェーンのファミリーマートとの間でも再生PETを原料とした容器の取り扱い拡大を検討しているという。
ファミリーマートは2050年度をめどに、容器包装の環境配慮型素材使用率を100パーセントとすることを、同社の環境対応方針「ファミマecoビジョン2050」で宣言しており、伊藤忠商事もファミリーマートとともに循環型社会をめざした取り組みを推進している。
伊藤忠プラスチックスでは、昨今高まる環境プラスチック問題に対応して、これまでファミリーマート向けに環境への影響を抑えた容器の導入や、フルラップからサイドシュリンク包装の導入、原材料フィルムの簿肉化などにより、プラスチック使用量の軽減に取り組んできた。
今後もコンビニエンスストアや食品メーカーと一体となった食品包材の企画・開発・物流体制を構築するなど、専門商社の枠を超えた競争力を発揮し、総力を挙げて環境への取り組みを推進していく。
世界最大級プラスチック樹脂メーカー「ボレアリス社」とバイオマスプラスチックを事業展開
日本では2030年までに約200万トンのバイオマスプラスチック製品を導入する基本計画が策定され、バイオマスプラスチックへのスムーズな切り替えが求められている。
プラスチックの主原料であるポリプロピレンは、強度があり熱に強いことが特徴で、食品容器や日用品、自動車用部品など、幅広い用途で活用されている。しかし、バイオマス原料化の難易度が高いとされてきた素材だ。
伊藤忠商事は世界最大級のプラスチック樹脂メーカーの一つであるBorealis(ボレアリス社)及びそのグループ会社であるBorouge(ブルージュ社)と再生可能資源由来のバイオマスポリプロピレンに関する日本市場でのマーケティングについて合意した。
ボレアリス社は、2020年3月にバイオポリプロピレンの商業生産を開始し、欧州をはじめ世界へ拡販を進めており、本合意はアジアでは初の試みとなった。
本契約を機に、伊藤忠商事は再生可能資源由来のバイオマスプラスチックビジネスに本格参入している。
今後はバイオマスプラスチック事業のグローバルな、特に日本及びアジア市場における展開を推進していく。食品容器や包材、日用雑貨、化粧品容器、家電、自動車部品など多様な分野での製品展開を図る予定だという。