INTERVIEW

地球にとっての「KAITEKI」を考える。三菱ケミカルホールディングスグループがめざす未来像。

地球にとっての「KAITEKI」を考える。三菱ケミカルホールディングスグループがめざす未来像。

地球にとっての「KAITEKI」を考える。三菱ケミカルホールディングスグループがめざす未来像。

持続可能な社会とは、誰にとっても「快適」な社会であると言い換えてもいいのかもしれません。地球にとって快適であり、生産者にとっても快適であり、消費者にとっても快適。これまで現代社会は、自分が「快適」であることが重要で、周りを顧みる機会はありませんでした。ですが、どこかに負担をかけるシステムはいつか歪みを生み出し、様々な問題へと繋がっていきます。そんな中、三菱ケミカルホールディングスグループは「KAITEKI」の実現をビジョンとして掲げています。日本国内最大の大手総合化学メーカーとして業界をリードし続ける三菱ケミカルホールディングスグループが目指す「KAITEKI」とは何なのか。じっくりと語っていただきました。

今回お話を伺ったのは、「KAITEKI」実現のための舵取りをするグリーントランスフォーメーション推進本部長の馬渡謙一郎さんと、同本部の事業開発部所属の森山真衣さんです。
快適ではなく、「KAITEKI」
馬渡「快適という言葉を単純に英語にするとコンフォートになりますよね。快適をアルファベット表記にしたのは、<well-being>や<サスティナブル>といった意味合いも含んだ新しい言葉にしたかったからです。どんな国の人でも理解できるようにしたい、という想いも込められています。ただの快適ではなく、地球が快適であるか、自分が快適であるか。提供するサービスやそれに関わる人たちが快適なのか。そういった広義の快適さ、持続可能性とでも言うべきものも含めての<KAITEKI>なのです。」
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グリーントランスフォーメーション推進本部長 馬渡謙一郎さん

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グリーントランスフォーメーション推進本部 森山真衣さん

森山「私は2019年に入社したのですが、就職活動中に印象に残ったのは<KAITEKI>という言葉でした。化学を扱う会社が、こうしたメッセージを打ち出すのは珍しいなと感じた記憶があります」
馬渡「私たちの会社は主に素材を扱っています。消費者の皆さんのお手元に届くのはいわゆる最終製品と呼ばれるものなのですが、弊社が手掛ける最終製品は少なく、お客さまの多くが個人ではなく企業です。私たちはいわば裏方で、一口に事業内容を説明することも難しい。とはいえ、何を大事にしている会社なのかをわかって欲しい、一言で伝えたいという思いを込めたのが<KAITEKI>という言葉なのです。ですから、森山さんのような若い世代にも届くのは嬉しいことですね」
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提供:サンシャイン水族館

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三菱ケミカルホールディングスグループの製品には、飛沫感染防止用のアクリルパーティションや水族館の水槽に使われるアクリル樹脂といった、誰もが一度は目にしたことのあるものも挙げられます。「三菱ケミカルホールディングスグループ」という名前はどこにも出て来ないのですが、アクリルパーティションはコロナ禍で大きな役割を果たし、水槽のアクリル樹脂は海の世界を見てもらうための機能を担っています。このように様々な形で私たちの生活に関わっている三菱ケミカルホールディングスグループが、未来に向けてビジネスを推進していくために立ち上げたのがグリーントランスフォーメーション推進本部です。
サーキュラーエコノミーからグリーントランスフォーメーションへ
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馬渡「グリーントランスフォーメーション推進本部には前身があります。2020年4月に発足した、サーキュラーエコノミー推進部です。当社グループとしてカーボンニュートラル、温室効果ガス問題、プラスチック廃棄の問題と向き合う中で、既存の枠組みで行うビジネスもあれば、そうでないものもある。グループ内の組織をまたいだり、社外との取組みが発生したりと、様々なケースが存在しており、これらの課題に対して既存の組織の枠を超えて活動する必要がありました」
そうした状況を踏まえた上で発足したサーキュラーエコノミー推進部は、まさにグループ内の旗振り役。
馬渡「三菱ケミカルホールディングスグループには多くのグループ会社があるのですが、我々が直面している環境問題に取り組むために、有機的な組織体にする必要性を感じました。グループ全体をひとつの樹と捉えることで、<One Company, One Team>として目標に向かって邁進していけるのでは、と。そして2022年4月の組織再編に伴い、グリーントランスフォーメーション推進本部として新しく生まれ変わったのです」
持続可能な製品・サービスを提供し、より循環型かつ環境負荷を下げていく企業体である。それを分かりやすく表すためのネーミングでもあると馬渡さんは言います。
ケミカルリサイクルで変わる、プラスチックの未来。
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グリーントランスフォーメーションの大きな課題の一つが、プラスチック問題です。「脱プラ」という言葉が生まれ、特にプラスチックストローやフォークといったプラスチック製品に対してのネガティブな印象が強まりました。ですが、私たちが仕事で使うパソコンにも、食品を保存する袋にもプラスチックは使われています。
森山「プラスチックには様々な特性があり、便利で生活に不可欠な素材です。ただ、燃やされる際のCO2の排出や海洋プラスチックといった負の側面も存在しています。だからプラスチックは悪いものだという意見があることも理解出来るのですが、プラスチック製品を提供するメーカーとしては何かもっと良いやり方がないのかを模索していきたいです。たとえば、プラスチックを街中で回収し、原料に戻してリサイクルする、あるいはまだ先の話になると思うのですが、プラスチック焼却時のCO2を活用するなど、廃棄されてしまっているものを上手く循環させて、環境負荷の低減を目指していきたいと考えています」
森山さんは、実際にプラスチックのケミカルリサイクルプロジェクトに携わっているそうです。
森山「ケミカルリサイクルには大きく二つの方向性があります。一つは、単一のプラスチックを一つ手前の原料(モノマー等)に戻すこと。もう一つが、色々な種類のプラスチックを更に手前の原料(油やガス等)に戻すことです」
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プラスチック油化のイメージ

リサイクルされた原料は油化され、新しい商品へと使われていくことになります。その技術にはイギリスのムラテクノロジー(Mura Technology)社の技術を採用しており、2023年の本格始動を目指しているのだそう。リサイクルすることでプラスチックの未来を変えていく、そんな想いを森山さんからは感じます。
森山「普通のモノづくりと違い、原料となるのは使用済みのプラスチック素材です。プラスチックをどこからどう集めるか、どんなものがリサイクルに適しているのかということを色々と試しながら見極めていく必要があります。こうしたケミカルリサイクルの原材料調達に関しては、資本業務提携を行っているリファインバースグループと検討を進めています」
様々な企業と連携しながらプロジェクトを進めていく様は、グループ内だけではなくグリーントランスフォーメーションそのものを社会に向けて推進させているように思えます。
適切な使われ方、処理の仕方がプラスチックの可能性を広げる。
馬渡「機能性の高さや成型のしやすさなどを考えた時に、プラスチックは有用な素材だと私は今でも考えています。問題は適切なシーンで使われていない、あるいは適切な処理や再利用ができていないこと。つまり使い方にも改善できる点があるのではないでしょうか。100年後はわからないですが、今すぐにはプラスチックの代替品はないわけです。だからこそリサイクルをはじめとする適切な処理、サスティナブルな原料への転換を行うことが、いま私たちに出来るベストな方法であり、同時に社会貢献へも繋がっていくと思います」
今あるプラスチックのリサイクルで、今後すべてのプラスチック製品を作り出す。遠い未来の話ですが、そんな可能性もあり得るのかもしれません。
最後に、お二人に今後の展望をお伺いしました。
馬渡「グリーントランスフォーメーションは新しい取り組みです。こうした領域では、経験が正解にならないことがあります。若い世代がアイデアを出す主役となって、それを上の世代の経験で支えてビジネスにしていく。そんな組織にしていきたいですね」
森山「世の中に不要とされてしまったものに、もう一度価値を与える。そんなソリューションを提供できる会社にしていきたいです」
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誰にとっても「KAITEKI」な世界を実現するための挑戦はこれからも続きます。
writer
Equally beautiful編集部
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