今回は地球環境へのアプローチを行うシリーズ「converse e.c.lab」について、コンバースジャパン株式会社企画部マーケティング課の田中周平課長に話を伺いました。
「ALL STARやJACK PURCELLはありがたいことにお客様のニーズが高い商品になっています。こうしたファッション性のある商品を、“履いていると実はエコ”という無理のないアプローチにしたいと思って2019年に始めたのが「converse e.c.lab」です。SDGsというほど大きなムーブメントではないですが、実際に手にとって「おしゃれ」とか「カッコいい」と思っていただき、日常に入り込んでいるスニーカーが少しでも地球環境の役に立てれば、という思いです」
サスティナブルやエコを考え、且つ「CONVERSEだからこそできるアプローチ」とは何かという点では、試行錯誤を繰り返し、立ち上げの企画時は難航したそうです。
「CONVERSEのALL STARやJACK PURCELLは皆さん、何足かお持ちになっていて、ファッションに合わせて履き替える方も多くいらっしゃいます。つまり、“Tシャツ感覚なスニーカー”という意識があるのではないでしょうか。それがCONVERSEの強みと言えます。Tシャツには着ているだけである種のメッセージを発信できるといった、情報発信性があります。一種の媒体と言ってもいいかもしれません。ALL STARやJACK PURCELLも同様に、さまざまなサスティナブルな素材を作っているメーカーさんの素材を紹介する媒体になれば良いわけです」
そこでお見せいただいたものはペットボトルを再利用したものや「のこり染」といわれるプロジェクトで染められたテキスタイルを使った商品。その多くが、アッパーと言われるスニーカーの上側面の部分に使われる生地に特徴を持っていました。
JACK PURCELL PET-CANVAS 8,800円(1月発売)ペットボトルの再生繊維をアッパーに使っている。
2022年に発売されるJACK PURCELL PET-CANVASは、その名の通りペットボトルの再生繊維をアッパーに使っています。JACK PURCELL TORNATLEATHERでは天然のなめし剤を使ったレザーを使うなど、今後も様々な素材を採用した商品が展開される予定です。
JACK PURCELL TORNATLEATHER 16,500円(3月発売)天然なめし剤を使用したアッパーが特徴。
他にも、ジュースをつくるために果汁をしぼった後のブルーベリーや草餅をつくった後のよもぎの煮汁などの染料を採用した商品や、フェアトレードを意識した素材を採用した商品を発売するなど、時代を意識した商品開発が進められているそうです。
ALL STAR NOKORIZOME HI / OX 9,900円(3月発売)ブルーベリーやよもぎを染料にしている。
「西アフリカのブルナキファソという街の民族の方に織っていただいた手織りの素材を使ったALL STARとJACK PURCELLは、とても良い風合いと独特な色使いになっています。デザインとしての魅力を感じてもらえると思いますし、ファッションとして取り入れてもらえると思っています。それが知らぬ間にエコだったということが大事だと思っています。シーズンごとにいろんなアプローチをすることによって、さまざまな素材を宣伝していければと思っています」
JACK PURCELL BURKINAFASO-TEXTILE・ALL STAR BURKINAFASO-TEXTILE OX 各14,300円(3月発売)西アフリカのブルナキファソの民族の手織り生地の風合いが特別感を出している。
ALL STARやJACK PURCELLはヴァルカナイズという製法でソール(靴底)がアッパーと接着されています。約100度の熱と圧力でアッパーとソールを接着していく手法です。
「CONVERSEは1908年の創業時、ラバーシューズ(長靴)のメーカーとしてスタートしました。事業が始まったマサチューセッツ州のモールデンという街は、冬は雪深い地域で、当時農業と林業が盛んでした。そこで需要のあるラバーシューズからスタートしたのです。そんなスニーカー製作の様々な工程では、ラバーの端材が出ます。これは本来廃棄するしかなかったのですが、それを混ぜ込んでアウトソールの素材にしています。よく見ていただくとわかると思うのですが、細かい色違いの糸くずみたいなものが入っていると思います。これがそのリサイクルラバーです」
ソールだけではなく、さらに見えない部分にもリサイクル素材は使われています。
「カウンターといわれる踵の補強材料があります。ここは漁網をリサイクルしたリサイクル素材にしていますし、インソールに関しても、アウトソール同様リサイクルポリウレタンを配合した「Ortholite Recycled」を採用しています。ディテールに関しても極力地球環境に優しいものを作っていきたいと思っています」
こうした環境に考慮した商品は、その素材自体が通常のものよりも高くなりがちです。同様に販売価格も引き上げられていくのですが、ALL STARやJACK PURCELLはもともとリーズナブルな価格なので、そこまで高価な価格帯にならないこともCONVERSEの魅力になっています。
さらに、2021年11月15日からはユーザーとブランドを繋ぐ新しいサービスも始まっていました。
「converse e.c.lab」の流れを受けて、お客様にもっとALL STARやJACK PURCELLに愛着を持っていただきたいとリペアサービスを始めました。気に入って履いていただいているものを、より長く履いていただくためです。国内の正規品に限らせていただいての対応になりますが、ヒールリペアやサイドテープリペア、オールソールリペアなど、全4種類のサービスを用意しています」
「ソールのすり減りの補修はラベルとセットで行ないます。また、サイドのラバーの浮きがALL STARやJACK PURCELLの弱点といえば弱点です。ヴァルカナイズ製法では仕方ないのですが、そこを補修します」
「オリジナルの接着剤を開発して、ラストを入れて、しっかりと圧着させます。また2018年にデビューした「ALL STAR COUPE」というモデルがあるのですが、こちらはオールソールの交換ができます」
「ALL STAR COUPE」のソールはそのまま交換可能。
新製品からリペアまで、CONVERSEのエコな取り組み。お店に行って、実際に見て、履いてみて、その新しさをぜひ体感してください。
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