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2021.03.30

今、プラスチックを取り巻く現状を知っておきたい。#2 「環境に優しいプラスチックはどれだ!?」

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「環境」と「プラスチック」、相反するようで、実際の現場では苦悩の連続であり、いかにプラスチックと環境を結びつけていくかが急務となっています。実生活からの視点で考えるとプラスチックは必要不可欠なものです。だからこそプラスチックの「今」を見つめ直すことが大事なのではないでしょうか? 前回に引き続き、伊藤忠商事でバイオマスプラスチックを取り扱っていらっしゃる小林拓矢さんのプラスチック談義、注目です!

数年前、俄かに脱プラスチック製ストローの導入が勃発したことは記憶に新しいと思います。あの時、一斉に紙製ストローへと転換させることで問題は解決したように見えました。しかし、冷静になって考えてみると紙に変えたことで根本的な問題の解決になったのでしょうか? 紙のストローを作るにしてもパルプを使い、水を使い、熱を使い、同じように環境に負担をかけています。プラスチックを悪者にするのではなく、まずはプラスチックと共存することを考え、その上でより環境への負担が少ないプラスチックのことを考えることが第一ではないでしょうか? とEQUALLY BEAUTIFULは考えます。今回、小林さんにはプラスチックを取り巻く日本の現状から伺っていきたいと思います。
EQUALLY BEAUTIFUL(以下「EB」)前回は環境ビジネスと伊藤忠商事というテーマでお話を伺いました。かなり包括的に環境問題にお取り組みされていることはわかりましたが、今、私たちの生活を取り巻くプラスチックのことに関して伺っても良いですか?
小林拓矢さん(以下「小林」) 前回、感染症予防でもプラスチックが大きく貢献していることをお話しさせていただきました。では、もっと身近なところ…例えば「フードロス」から考えていきましょう。実はこのフードロスの軽減に貢献しているのが、プラスチックです。プラスチックの袋やケースによって消費期限を伸ばすことができます。運搬においても大量に作って大量に売るためにプラスチックはなくてはならないものになっています。ポテトチップスを例に出すと、プラスチックがなければ、すぐに湿気ってしまい輸送できないわけです。つまりはスーパーをはじめこれだけ多くの物量を取り扱えません。これを瓶で運んだら、重量が増えて輸送時に排ガスとしてCO2の排出を増やしてしまいます。プラスチックを完全になくすのではなく、プラスチックのいいところを活かしながら、環境問題をクリアしていくことが現実的ではないでしょうか。
EB プラスチック包装によって、外気と触れることなく輸送ができることや、食品が傷むのを防いでくれますよね。ちょっと話が逸れますが、先日、テレビを見ていたら、パンの袋は臭いのあるものを入れるのに良いとのことでした。それはパンの袋がPP(ポリプロピレン)でできていて、臭いを通しにくいのだそうです。赤ちゃんがいる方は外出時のおむつ入れに良いとおっしゃっていました。臭いが漏れないほど密閉ができるのですから、食品を守るのにも適しているのだと思います。
小林 身近なところでもプラスチックは活躍してくれており、そうしたプラスの側面にも目を向けることは必要です。そこで注目を集めているのが、バイオプラスチックです。そもそも、日本国内で約1,200万トンのプラスチックが流通しています。そのうち500万トンが先ほども話に出ましたPPとPE(ポリエチレン)です。この500万トンを少しでも環境に配慮したプラスチックにしていくことを目標にしています。
EB バイオプラスチックは大きくふたつに分けられることを学びました。ひとつが生分解性プラスチック。もうひとつがバイオマスプラスチックですね!
小林 生分解性は機能であり、バイオプラスチックは原料がバイオ素材かということです。生分解性は石油由来もあります。バイオで生分解するものもあれば、しないものもある。
EB 生分解性は石油由来があるのですね。とはいえ、この表を見てみると驚かされますね。一言でプラスチックといっても種類はこんなにあるのですね!
小林 用途によってプラスチックを使い分けることはとても大事なのです。
EB 試験に出そうですね(笑)。
小林 出そうです(笑)。細かく見ていくと生分解性プラスチックは石油由来もあり、また実際には多くのものが、回収して、生ゴミ処理設備に入れ、時間をかけないと分解しません。ただ、ゴミ回収をしない国もあります。そういうエリアでは生分解性プラスチックは有効かもしれません。一方、バイオマスプラスチックは植物由来のバイオマス原料を使っており、特に最近は非可食性の廃油やパルプを作るときに出るトール油などを原料にした第二世代のバイオマスプラスチックも出てきております。見た目や品質は石油由来のものとなんら変わらないことも特徴のひとつです。さらにいうと石油由来のプラスチックと分けることなくリサイクルが可能なのです。ここがビジネスとしても大事な部分になるわけです。
EB 現状あるリサイクルシステムでリサイクルできるというのはとても魅力的ですね。生分解性ではないプラスチックはリサイクルもしやすいということは、ガラスのようにとかしてまた商品化しやすいということですね。これはバイオマスプラスチックに軍配が上がると思います。
小林 どのような素材が求められるかはエリアやそこでの状況にもよります。例えば中国は生分解性推しですが、ほとんどの先進国は生分解しないプラスチックをリサイクルさせる方向です。
EB お話が盛り上がってきているのですが、この大きな流れを次回伺いたいと思います。
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